穏やかさの奥にある滋味深い味わい。
評価:★ ★ ★ Recommend!
CP:☆ ☆ ☆
価格:¥ ¥
香り:
穏やかで嫌味のないシェリー香が先行し、熟成感のあるこなれたピートが後から追いかけてくる。ベリージャムの甘さ、うっすらとなめし皮、奥のほうからミネラル、穏やかな金属感、煙草。
味わい:
度数落ちの優しい口当たり。僅かな樽由来の収斂、ベリーの甘さと麦芽の甘さが複雑に絡み合いながら穏やかに広がる。うっすらとタバコの葉。穏やかだが滋味深く、余韻への移行の切れ目は判別出来ないが、ボディが軽いのとは少し違った印象。
余韻:
味わいから切れ目なく移行し、ミネラルや海藻、金属の質感を思わせる熟成感のあるピートが優しく残る。
2017年の7月に発売された、信濃屋とBar Caol Ila Tokyoとのコラボボトル第三弾。Bar Caol Ila13周年記念ボトル。
渋谷にあるBar Caol Ilaさんに直接お邪魔してラストショットをいただくことが出来ました。
アルコール度数は40%ですが加水ではなく、れっきとしたカスクストレングスです。また、シェリーバットで熟成されているにも関わらずボトリング本数が96本と非常に少ないことも特徴です。
何か液漏れなどのトラブルがあったのか、それとも他のボトラーとのシェアボトルなのかといった詳細は不明です(ちなみに、台湾の振興ボトラーであるウイスキーファインドから同じヴィンテージ、同じ度数、同じシェリーバット熟成のボトルが同じ時期に300本限定でボトリングされています)。
公式テイスティングノートでは信濃屋のバイヤーである北梶氏の総評として『熟成感のあるピートとその溶け込み方にオールドボトルと共通する奥深さを感じられる、どこか色気のあるシェリー樽熟成カリラ。』とあり、この言葉は非常に的確にこのボトルの全体像を捉えていると思います。
度数は英国でのシングルモルトウイスキーのボトリング限界ギリギリの40%で、それゆえに香り立ちは相応に穏やかです。しかしながら、経年変化で度数の落ちたウイスキーには、加水で同じ度数まで落としたものとは違った滋味深さと複雑さがあり、奥行きを兼ね備えたシェリー香には尖った部分は全くありません。香りの立ち上がりがゆっくりなので、一口飲んでからのほうが様々な香味が取れるのではないかと思います。
カリラとしては今まで飲んだことのないタイプでもあり、記憶に残ったボトルです。
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