ベンネヴィス 10年 46% UK向け

国内向けと是非比較を。シングルモルトを良し悪し含めて楽しむ、あるいは時間をかけて楽しめるやや玄人な飲み手向き。

BEN NEVIS 10Y. 46% OB, UK distribution


評価:★★☆ Recommend!

CP:☆☆☆☆

価格:☆(送料含めると★)


ボトル紹介

日本向けとは度数もボトルも異なる、欧州向けのベンネヴィス10年

オフィシャルボトルのベンネヴィス10年、イギリス、欧州向けです。

ベンネヴィス10年はニッカが所有する蒸留所のオフィシャルスタンダードとして国内でも販売されていますが、こちらのボトルは国内向けより高い度数(国内向けは43%)、ボトルデザインも竹鶴や余市、宮城峡などのニッカの製品に使われているものと同系統であることが特徴です(国内向けは一般的なトール瓶)。

欧州向けのベンネヴィス10年は並行輸入もないため、日本で入手したい場合は海外酒販から個人輸入するのが一般的です。イギリスやヨーロッパ諸国では珍しくも何ともないボトルなので、入手自体は非常に簡単です。


テイスティング

荒さも含めてコンテンツ豊富で香味は厚い。主体はケミカルフルーツよりも麦芽寄り。

ベンネヴィス10年は国内向け43%と今回の欧州向け46%を是非飲み比べてみてほしいボトルです。

今回のテイスティングは国内向けとの比較を主に書いていきたいと思います。

国内向け10年の記事も以前書いていますので合わせてどうぞ。ベンネヴィス 10年、43% オフィシャルボトル(アサヒ正規輸入)

度数だけ見てしまうと日本向けは欧州向けの下位互換なのではないかと勘繰ってしまいそうになりますが決してそんなことはなく、どちらのボトルにも共通する要素がありますが力点が異なり、それぞれの良さがあります。

国内向けは最初からシロップのような甘さとケミカルなフルーツ香が前に出てくる構成で非常にキャッチー、更に43%という比較的強めの加水で原酒の若さが目立たないものの、ボディはどうしても軽く、全体としての香味の厚さや迫力には欠けます。

対して今回の欧州向けは、香味はより多層的で厚みがあり、飲み応えも度数以上に感じられますが、内陸ピートや奥からの多層的なフルーツ感に辿り着く前に現れる麦芽感にやや荒さが感じられます。

どちらが好きかは好みだと思いますが、どちらにもケミカルなフルーツ感は感じられます。国内向けはそれ先行ですが軽く、欧州向けは麦芽先行ですが奥からゆっくりとですが厚めに主張してきます。


国内向けと欧州向けは、飲み比べが楽しいと思う

個人的には価格ベースで考えてもベンネヴィス10年の国内向け43%はよく出来たボトルだと思います。

悪く言ってしまえば香味は短調、フルーツ感には浮ついたような分離感が感じられるかも知れませんが、雑味が抑えられているぶん香りや口当たりに引っかかるところがなく、デイリーに楽しむなら確実にこちらでしょう。

対して欧州向けは、開けたてからの状態を見つつ、じっくりと時間をかけてボトルに向き合うことのできる飲み手にこそ向いていると思います。

欧州向けは良し悪しを含めて香味のコンテンツが豊富であり、抜栓後の時間経過で香味が変化していきます。最初は荒さやネガティブさが感じられ、ベンネヴィスの特徴である独特なフルーツ感が全開になるまでにはグラス内での時間経過やボトルの経年変化を楽しむ余裕がおそらく必要です。

ただ、時間をかける価値は十分にあるでしょう。

右が日本向け、左が今回の欧州向け

両ボトルの開けたてを飲んだのなら、多くの飲み手が日本向けのキャッチーなケミカルフルーツ香が好きになると思います。

ただし日本向けは経年でそれほど大きな変化はありません。しかし開けたてのキャッチーさを最後まで失わないということは、これはこれで非常に素晴らしいことだと思います。

対して欧州向けは、最初はやや荒く、まとまりに欠ける印象はあるものの、経年で大きく羽ばたくだろうと思います。これもこれで非常に素晴らしいことです。

早飲みで原酒の良い部分を手軽に味わいたいなら日本向け、良し悪し含めて丸ごと楽しみたいのであれば欧州向け。どちらもそれぞれ良さがあるというのが、個人的な感想です。

そのため、意味は異なるものの、どちらもRecommendを付けることのできるボトルです。

イギリスやヨーロッパの飲み手が日本向けのベンネヴィス10年を飲んだ時にどのような印象を抱くのかは、ちょっと気になりますね。


テイスティングノート

香り:

しっかりとした香り立ち。開けたて、または温度の低い場合は最初にやや若さの残る麦芽香が目立つが、そこからの時間経過でゆっくりと林檎、蜂蜜、洋梨、オレンジマーマレード、ケミカルなパイナップルが現れ、徐々に優勢となる。更に乳酸感、乳酸菌飲料を思わせる香りが現れる。

味わい:

口当たりは度数相当で、加水ながら思いの外しっかりとした飲み応えがある。熟成年数相当の麦芽感が先行し、原酒の若さに由来する荒い印象がやや強くなる。そこから少しのオイリーさ、林檎、弱い蜂蜜、蜜蝋、弱いが木材を焦したような内陸ピートも。少し遅れてパッションフルーツと乾いたウッディネス。良し悪し含めてコンテンツ豊富で、ボディは厚め。

余韻:

味わいを引継ぎつつ、乾いたウッディネスとドライさ。若干ニガリのようなニュアンスも。

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