クライヌリッシュ 1995 – 2019、23年 56.9% シグナトリー for The Whisky Hoop

傑作。

CLYNELISH 1995-2019, 23Y. 56.9%

Signatory Vintage, The Whisky Hoop

cask type: refill sherry hogshead

cask No. 11251


評価:★★★☆ Recommend!(2021.09評価変更)

CP:☆☆☆☆

価格:★★☆


ボトル紹介

目次

2019年10月リリース。The Whisky Hoop和紙ラベル第6弾は同年に200周年を迎えたクライヌリッシュから。

もはやボトルの選定に定評のあることが広く知れ渡っている日本の会員制ウイスキー愛好家団体The Whisky Hoop(TWH)から、2019年10月にリリースされた1995年蒸留のクライヌリッシュです。

このボトルはもともと会員向けの頒布ボトルとしてリリースが予定されていましたが、同時期に2本のグレンファークラス(Bar Sheepさん20周年記念2002とBar Campblltoun Lochさん20周年記念2004。両バー共にTWH会員。どちらも希望者のみ購入のボトルだったが既に完売)のリリースが案内されたこともあり、負担を減らす意味で希望者のみの購入に切り替えられたという経緯があります。

ただしTWHのリリース中でも気合いの入ったボトルにしか貼られない和紙ラベルとしてのリリース、しかも同年に200周年を迎えたクライヌリッシュ蒸留所の原酒を持ってきたところに、TWHの自信が伺われます。

ちなみにTWHの和紙ラベルのボトルとしては、1990ボウモア、1990ハイランドパーク、2001ラフロイグ、1988グレングラント、1996ロングモーンに続く第6弾に当たります。


テイスティング

何これ傑作じゃんwwwウケるwww

飲んで思わず最初に発した言葉が上記のこれです。

こんな95クライヌリッシュ、僕は初めて飲みました。控えめに言ってもシェリークライヌリッシュの傑作ですよこれ。

香りからして近年ボトリングとは思えないような古酒感のある複雑なシェリー香を湛えていて、そこに蜜蝋、ほんのりとした潮気が続き、それらが見事な邂逅を果たしています。「シェリーだからレーズン」みたいな通り一遍な香味ではなく、カカオ、ラズベリー、ブラックチェリー、秋の腐葉土とそこから顔を出したトリュフさえ感じさせる、非常に重厚で、えも言われぬ複雑な香味です。

つまり香りの段階から物凄く期待値が高まるわけなんです。そして一度飲めば分かりますが、その期待値を味わいでしっかりと超えてくるのです…やべぇ。

口に含んでからの香味の広がりも素晴らしく、心地良い収斂とドライさを伴いながら、チョコレートや焦がしバターを思わせる香味が時間をかけて、幾重にも重なりながら広がっていく印象です。ボディの厚みもさることながら余韻へと移行も分かち難く、更に一度飲んだ後に再び香りに戻ることで感じられる更なる渾然一体感と深み…無限ループなんですけど僕はどうしたらいいんでしょうか…。麦芽の甘みの下支えを余韻で感じるとか反則ですよね?

繰り返しになりますが、とにかく一度飲んでみてほしいです。

既に飲んだことのある人たちの間での口コミも広まりつつあり、飲めるバーも主要都市部を中心に広がってくる頃ではないかと思いますし。


大風呂敷を広げる感じになるけど、伝説化待ったなしですよきっと。このボトルは。

現在はリリースしたばかりでTWH会員向けにしか発売されていません。ボトリング本数自体は多いので、今までの流れから考えると今後一般販売に回されるかも知れませんが、現時点では正確なことは何も言えません。

ただ、もし一般販売されたとしたら、とりあえずこのボトルは絶対に買ったほうがいいと思います。

今飲んでもすっごく美味しいんですが、こいつはもう後日、きっと、ほぼ確実に、レジェンダリーなボトルになる予感しかしません。

本当に…本ッッッッ当に、よく見つけてきてくださいました…。


テイスティングノート

香り:

しっかりとした香り立ちで、深みがあり、徐々に渾然一体としてくる。古酒感のあるシェリー香、蜜蝋を思わせる少しのワクシーさ、ほんのりとした潮気の邂逅。ラズベリー、カカオ、ブラックチェリー、雨上がりの秋の野山とそこからの収穫を予感させるような腐葉土、白トリュフ、ヘーゼルナッツ、蜂蜜と蜜蝋、ほんのりとした潮気、奥から凝縮感のある枝付きレーズン。穏やかなフローラルノート(意味:エクストリームリー・ウルトラ・ライト・パフューム)。

味わい:

度数相当にしっかりとした口当たりから、古酒感を強く感じさせる濃密で複雑なシェリー由来の香味が時間をかけて広がる。クーベルチュールチョコレート、焦がしバター、カラメル、磨いた家具、ヘーゼルナッツ、主張し過ぎない穏やかなウッディネスと心地良い収斂、焦がした樽の内側を思わせる弱い炭感。ボディは厚く、分かち難く余韻へと移行する。

余韻:

焦がしバターのオイリーさにシェリーの古酒を思わせる複雑な甘さが持続し、生姜や胡椒や辛過ぎない唐辛子といった複雑かつ穏やかで心地良いスパイス感とドライさが現れた後から、ゆっくりと麦芽の甘み。長い。

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