究極の地味うまモルト。
GLEN MORAY 30Y. 43% OB
6000bottles. bottling date 22/11/04
評価:★ ★ ★ ★ Recommend!
CP:NR
価格:NR
香り:
穏やかな香り立ちながら、甘く、要素が非常に豊富で複雑、渾然一体としている。ぼんやりとした印象は全くない。熟成感のある麦芽香に、ザラメ、黒糖、べっこう飴、カラメルソースのかかったプディング、麦芽の甘み、溶いた水飴、パッションフルーツ、白桃、ベリー、アプリコット、オレンジジュース、オレンジピール、林檎、洋梨、グミキャンディ、穏やかな清涼感、バニラ、蜂蜜、蜜蝋、キャラメル…
味わい:
口当たりは優しく、サラリとしている。熟成感はそのまま、僅かに乾いたウッディネスが現れ、バニラ、蜂蜜、キャラメル、カラメルプディングなどを思わせる甘さが強くなる。そこにパッションフルーツを思わせるフルーティーさ。ボディは度数からは想像出来ないくらいしっかりとしている。
余韻:
加水のせいか、余韻の長さは中程度からやや短め。香味の要素は全て引き継がれる。僅かにミントの清涼感。
2004年ボトリングのオフィシャル30年
逆算すると1973年か1974年ヴィンテージのオフィシャルグレンマレイ30年です。
当時価格は大体20000円ちょっとで、それでも売れ残っていたボトルであるが故に私が買えている訳ですが、現在はオークション価格も順当に高騰し、今思えばもっと買っておけば良かったと思えるボトルの一つです。もちろんこれ1本しか持ってません。
グレンマレイ蒸溜所の歴史と変遷はWhisky Magazine Japanの記事が簡潔なのでリンクを貼っておきます。
究極の地味うま
限定とはいえ6000本もリリースされたため特別感がなかったのか、特に評判の聞こえてこないボトルです。しかし、誰も言わなくても俺が美味いって言ってあげるよ!と誓いたくなるくらい、これ美味しいです。
オフィシャルの加水のボトルには「美味しいんだけど、突出したところがないというか、ぼんやりとしてるというか」みたいなボトルはたくさんあるかも知れません。
たしかにこのボトルも、香味自体は加水された穏やかなもので、突出した要素はありません。
ですが、その中に潜む香味の複雑さを、一体どうすれば無視できるというのか。いやできない。
言うなれば、「突出した要素がなければ美味しくないのか?」という問いに対して、強烈なアンチテーゼを突き付けるようなボトルだと思います。
私はその部分を全力で評価したいと思っています。
甘さは直ぐに分かると思います。そしてその後に、きちんとした熟成感も感じることが出来ると思います。
私は、それらが渾然一体となった、穏やかでありながら多彩で複雑な香味全体こそが、このボトルの真髄なんじゃないか?と思っています。
求める人であれば、桃感やパッションフルーツといったトロピカルフレーバーをきちんと拾えるでしょう。
別の人は熟成感とともにザラメや黒糖、ベリーといったシェリーカスク由来と思われる香味を拾うかも知れません。
更には、蜂蜜やキャラメルといった、バーボンカスク由来と思わせる香味を強く拾う人もいるかも知れません。
こうした懐の深さが、このボトルを特別なものにしていると感じます。
言い方を変えれば、「熟成感と香味の強さの、ある種の均衡点を正確に射止めた加水のオフィシャル長熟ボトル」だと言えますし、オフィシャルでしか出せないスペックのボトルだとも思います。
こういうタイプの味わいのボトルは今となってはそう出るものではないと私は思っているのですが、どうでしょうか。
個人的には「究極の地味うまモルト」だと思います。
付属のロールには詳細なテイスティングノートが記載されている。
現在のようなウイスキーブームで、オフィシャルボトルが再評価されている昨今であれば、このボトルは確実に飲み手に刺さるのではないかと思います。
地味ですが本当にしみじみ美味しく、しかもそれに止まらない。知名度だけでは計れない蒸溜所の実力を示すボトルだと思います。
止まることなく飲めてしまいます。(既にかなり減りました…)
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