ブナハーブン 1987, 29年 54% ZEUS AQUA VITAE

雑味のなさは同一ヴィンテージ中で屈指なのではないか。台湾の新興ボトラーからの気合溢れるリリース。

BUNNAHABHAIN 1987, 29Y. 54% ZEUS AQUA VITAE


評価:★ ★ ★ ★

CP:☆ ☆

価格:★ ★ ★ ★


香り:

しっかりとした香り立ち。熟成感のある麦芽の甘さと、蜜の詰まった林檎や熟れた洋梨を思わせるフルーティーなエステル香。これらが重なり合い渾然一体としている。樽香は比較的大人しく、微かに蜂蜜。キャンディのような甘さがあり、微かなシナモン。強く吸い込みと微かにミント。フルーツエステル香は時間と共にオレンジや少しだけレモンの印象にまで広がる。

味わい:

口当たりは度数相当にしっかりとしているが、滑らか。ボディは厚く、雑味がない。樽由来の香味は少し強くなり収斂を伴う。熟成感のある麦芽の香味は香りより強くなる。僅かに塩味が加わり、香りから引き継いだフルーティーさと合わさり塩キャンディのような印象。

余韻:

味わいから穏やかなドライさ、穏やかなスパイス、僅かに乾いた印象のある樽感。更に蜂蜜の甘さが現れ、麦芽の甘みにクリーミーな印象を与え、長く残る。


2015年創業、新進気鋭のアジアンボトラー

現在、アジアのウイスキー熱は物凄い高まりを見せています。

Allen Chan氏が代表を務めるAQUA VITAE社は台湾で2015年に創業したばかりの新しいボトラーで、日本では今年(2018年)に入って信濃屋の正規直輸入として初めてボトルが紹介されました。

Allen氏のボトルで有名なのはなんと言ってもラフロイグ1992-2017, 25年です。(既に完売。詳細はリンク先、信濃屋の商品紹介ページへ)

このラフロイグと合わせて国内に初めて紹介されたのが、各ボトルにギリシャ神話に登場する神々の名を冠したシリーズです。その中でも今回のブナハーブンには全能の神ゼウスの名が冠されていて、かなり気合の入ったリリースであることを伺わせます。


ブナハーブンの優良ヴィンテージ、1987年

ここ数年、様々なボトラーが1987年蒸留のブナハーブンをリリースしてきましたが、最近は目に見えて少なくなりました。

色々と意見はあると思いますが、少なくとも私は近年リリースのブナハーブンの中で1987年蒸留は比較的優良なヴィンテージではないかと思っています。麦芽の熟成感とフルーティーなエステル香、そこに少しの塩気を備えている点が共通していて、基本的にどのボトルも味わいの水準は高いと思います。

ただ、原酒の個性なのか、刈り取ったばかりの草の青さを思わせるグラッシーな香味を感じることがあり、この部分は評価の分かれるところだと思います。そのためリリース間での味わいの差はどうしても存在し、優良なヴィンテージではあるものの玉石混交という印象を持たれている人もいると思います。

また、リリース時期が昨今のウイスキーブームによる原酒の高騰の只中であり、後発のボトルであるほど価格の高騰が顕著です。

今回紹介するAQUA VITAEの1987ブナハーブンは文字通り最後発のボトルであり、やはり高額ですが、飲めば納得の完成度は歴代の1987ブナハーブンの中でも1、2を争うものなのではないかと思います。


雑味がない!

口に含んだ瞬間から、特筆に値する雑味のなさです。

既に述べたように、これまでリリースされた1987年蒸留のブナハーブンの中には刈り取ったばかりの草の青さを感じるボトルも散見されるのですが、このボトルにはそのニュアンスが全くありません。

その上で、麦芽の熟成感、フルーティーなエステル香といった、あるべき香味はしっかりと存在し、穏やかな樽感と相まって渾然一体としており、非常に暖かな印象です。度数が高いにも関わらずドライな印象は強くなく、香りから余韻にかけて引っかかる部分がほとんどないため、全体を通して非常にクリアで、そのことが麦芽の熟成感とフルーティーなエステル香を更に引き立てていると感じました。

味わうべき香味をダイレクトに味わえる澄んだ酒質が、このボトルを1987ブナハーブンの中でも特別なものにしていると思います。


持ち寄り会でのラスト1ショットをボトルごと頂きました

今回のボトルは自分で購入したものではありません。先日行われた持ち寄り会で「好きなボトルだから、飲んでブログにあげてよ」と、残り1ショット分をボトルごと頂いてしまったものです。

もうね、ありがたさしかないですよ…。本当にありがとうございます。書きましたよ!そして美味かったです!

僕自身も、1987ブナハーブンは一時期手厚く集めていたのですが、後半は価格の高騰に着いて行けず、このボトルはリリースを知りながらも購入を控えたボトルでした。すいません!

しかし、ここに来てこの水準の1987ブナハーブンが台湾発のボトラーから現れたということで、あらためてアジアのウイスキー熱の高さと層の厚さを目の当たりにした気がしました。

このボトルを購入しなかったことを、ちょっと後悔しています。

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