Laphroaig 2000-2016 54.4% Kingsbury Cask Strength

2000年蒸溜。酒質の良さを感じさせるラフロイグ。

 

評価:結構美味しい( ★ ★ ☆ )

CP:良くないです( ☆ ☆ )

価格:やや高いです( ¥ ¥ )

 

香り:ヨードと灰、そのすぐ裏側から洋梨、マスカットといったフルーツ香。若々しい麦芽香。

 味わい:しっかりとした口当たり。若々しく溌剌とした麦芽の旨味と甘味が、ピートと共に口の中に広がる。

 余韻:ヨードと灰、じんわりと麦芽の甘味。

 

 2016年の年末にボトラーズのキングスバリーから発売されたラフロイグ。同社のラインナップ中、シングルカスクから加水せずに樽出しの原酒を詰めるシリーズ「Cask Strength」(Kingsbury Gold)でのリリースです。キングスバリー社が現在展開しているラインナップにはこの他、シングルカスクからの原酒を46%に加水した「Limited Edition」(Kingsbury Silver)、複数の樽をヴァッティングして43%に加水したエントリーシリーズの「Selection」があります。また、貴重かつ特に優れた長期熟成原酒を豪華な箱とデキャンタに詰めて特別にボトリングした最高級レンジの「Sàr Obair」が、2014年頃から新たにラインナップされています。

時代が進み、最近ではボトラーズからリリースされる各蒸留所の原酒も90年代蒸留から00年代蒸留へと本格的な移行が始まっています。特にアイラ島産のシングルモルトは世界的に人気が高いためこの傾向が早くから訪れていて、加えて2015年頃からは価格も上昇し続けています。

このラフロイグも、そうした意味で「新しい世代のボトラーズ・ラフロイグ」だと言うことが出来るかも知れません。蒸留年は2000年ですが、香味のコンテンツとバランスに優れており、ヨードと灰、甘みの強いフルーツ香が共存する、酒質の良さを感じられる美味しいボトルでした。麦芽感にも荒さはなく、溌剌とした甘味として現れており、全体として華やかで非常にバランスが取れていると思います。バーで飲んだためテイスティングノートは簡潔ですが、今後ますますリリースが増えていく2000年代蒸留の原酒へ期待を持たせるに十分な出来だと思いました。

90年代蒸留のラフロイグに感じられるフルーツ香には、ボトルによってはグレープフルーツやレモンなどやや酸味の強い印象のものもあれば、今回のボトルのようにマスカットや洋梨など、より甘みの強い印象のものもあったりと幅広く、個人的には各年代に特徴があるというよりは、どの年代にもフルーツ香の系統が微妙に異なるボトルが広く分布しているような印象を持っていました。2000年代蒸留のラフロイグにあるフルーツ香が今回のボトルのように少しだけ甘いほうへ振れていくのであれば、やや甘めが好みな私としては歓迎です。

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