グレンリベット 1968-1989 20年 50.6% シグナトリー ダンピーボトル

繊細だが複雑な香りに圧倒される

The Glenlivet 1968-1989 20Y. 50.6% Signatory Vintage

評価:非常に美味しい( ★ ★ ★ ★ )

CP:NR

価格:NR

香り:瓶内での経年を経たウイスキーが纏う、美しいオールド香が穏やかに香る(ヒネ香がほとんどなく、状態は素晴らしい!)。香り立ちは全体的に穏やかで繊細に始まるが、徐々に複雑さを増して力強くなる。林檎と洋梨のコンポート、ザクロ、ドライアップル、べっこう飴、微かにキャラメルシロップ、それらが混ざり合ったフレーバードティーのよう。奥からザラメ、蜂蜜を伴いながら熟成感のある麦芽香。陶酔感がある。

味わい:染み込むような口当たりで、一口目から凝縮感のあるフルーツ香が口の中に広がる。洋梨のコンポートとアップルパイ、熟成感のある麦芽の甘みと、樽由来の収斂、程よいウッディネス、ホワイトペッパーを思わせる優しいスパイス。

余韻:麦芽の甘みと優しいスパイスが持続。キャラメルやバナナのような甘さが現れる。長い余韻。

ボトラーズのシグナトリーヴィンテージ社から発売された1968年蒸溜のグレンリベット20年です。ずんぐりとしたボトル形状から「シグナトリーダンピー」と呼ばれている一連のボトルのうちの一つで、中でも初期のボトルに当たります。

このシリーズは、表ラベルにきちんと蒸溜所の名前が書かれてはいるのですが、非常に分かりづらいことでも有名です。ラベル下段の細かい文字の中を探すと蒸溜所がグレンリベットであることが分かります。


シングルカスクではなく、カスクナンバー5868番から5877番の計10樽がヴァッティングされており、度数50.6%のカスクストレングスで総本数1800本がボトリングされています。
裏ラベルの度数と原材料の欄が手書きで修正されていますが、修正前は度数40%、原材料にはモルトの他にグレーンの表記があります。今ではこうした間違いは滅多に起こらないと思いますが、当時日本に入ってくるスコッチウイスキーと言えばほとんどブレンデッドウイスキーで、シングルモルトウイスキーはかなり珍しいものだったようです。スコッチウイスキーの種類や分類に関する知識も一般的ではなかったようで、古いボトルの中には、ブレンデッドウイスキーを取り扱っていた輸入業者が手持ちのラベルをそのまま流用した結果、シングルモルトであるにも関わらず裏ラベルにこうした表記がされているボトルがたまに見られるようです。


林檎の香りが前面に出てくる近年のグレンリベットとは異なり、洋梨や熟した果実香と麦芽香、そこに樽由来のフレーバーが渾然一体と混ざり合って、オールドボトル特有の非常に複雑な香りを形成しています。フレーバードティーのような印象もある、素晴らしいボトルでした。何より、ヒネ香がほとんどなく、状態が素晴らしかったのは僥倖だったしか言いようがありせん。

このボトルは昨年末に行われた第10回TWD(The Whisky Divers)に私が自身のストックから持ち寄り、抜栓したボトルです。年内最後の会ということもあり、忘年会気分を盛り上げるのも悪くないだろうという意味合いを込めて、そろそろ飲んであげないといけないだろうとずっと思っていたこのボトルを、隠し球的に持ち込んでみました。しかも期待感を煽ろうと色気を出し、事前に状態を確認することをせずに会場での新規抜栓という半ば博打的な行為に及んだのですが、幸運なことに状態は素晴らしく、参加されたメンバー内でも好評でした。これに関しては一言、本当に良かったです(笑)

TWDは、参加者同士のテイスティング能力の向上やテイスティング語彙の明確化などを目的に活動しているモルトドリンカーのグループです。少数のボトルを参加者がブラインドでテイスティングし、そのノートを集約しながら一つのボトルに対してかなり深い意見の交換を行っていて、今後は更に幅広く活動をする予定でいます。来年以降の活動も楽しみです。

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