香りが良いだけに他が惜しい。
評価:惜しい。
香り:穏やかで典型的だが洗練されたスペイサイダー。華やか。切ったばかりのフレッシュで甘酸っぱい林檎、洋梨、熟したオレンジ、オレンジマーマレード、スウィーティー。
味わい:フルーツ香を少しの間だけ引き継いだ後は、麦芽の甘みが主体的になる。その後に口腔内にミントの清涼感。ボディは厚くない。
余韻:口当たりからそのまま移行する。ミント、ユーカリのような清涼感のあるフィニッシュ。麦芽の甘さを残す。香りにあったフルーツ香は弱いながら残る程度。
このグレンリヴェットは、フランスの酒販店兼インポーター、La Maison Du Whisky(LMDW)のオリジナルシリーズ『ARTIST』の、記念すべき第一弾ボトリングのうちの一つです。同じラベルデザインでグレントファースもあったと記憶しています。
印象的な女性の肖像はシンガポール出身の女性アーティストWarren Khongの手によるもので、それぞれの女性の髪の毛にはその女性のキャラクターについての細かい説明が書かれています。
さて、このグレンリヴェットですが、さすがの長熟と言うべきか、とにかく香りが素晴らしく洗練されていて、スペイサイダーのお手本とも言うべき仕上がりです。
ただ、残念ながらボディーが弱く、香りにあったフルーツ香は口に含むと鳴りを潜めてしまい、すぐに麦芽の甘さにバトンタッチしてしまいます。悪くはないのですが、個人的にはもう少しフルーツ香が最後まで主張して、かつ麦芽感と渾然一体となってくれたもののほうが好みです。
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