Dalmore 1979-2002 23Y. 54.6% #595

心を開いてくれるまでに時間のかかるタイプ。辛抱強く待ち、ゆっくりと接してあげるべき。ただ、少し加水をするだけでその手間は省ける。

評価:美味しい。(少量加水をしての評価)

備考:少量加水し、その後少しの間馴染ませてから飲んでみるべき。


香り:最初、香り立ちは控えめで、やや閉じた印象。しばらくすると美味そうな麦の香りがまずゆっくりと立ち昇ってくる。そこから徐々にフルーツ香が強くなり、強さに複雑さと重さが加わって、全体を支配する。オレンジ、少しラズベリー、バナナ、洋梨、ヘーゼルナッツ、キャラメル、仁丹。加水をすると香りの開きが断然良くなり、麦芽香とエステル香のバランスが良くなる。
味わい:最初、口当たりのアタックはかなり力強く、ドライ。一瞬アルコール感ばかりが感じられて、他の要素が見当たらないほど。その後少しずつ何度か口に含むと、ドライさの奥から甘苦い麦芽、オレンジマーマレード、やや干し草のような枯れた草木のニュアンス、やや渋味を伴うウッディネス。加水でドライさがかなり軽減され、麦芽の甘みをしっかりと味わうことが出来る。
余韻:余韻もドライ。少し収斂を伴い、麦芽の甘苦さが最後まで残る。胡椒や少量のマスタードを思わせるスパイシーさがじんわりと長く続く。ここでも加水でドライさが軽減され、弱い渋味を伴うウッディネスや麦芽の甘みがスパイシーさの奥から現れてくる。

2015年、ひょんなことから譲っていただくことになったダルモアのオフィシャルシングルカスク。1979年蒸留の23年物で、今となってはかなりのレアボトルだと思います。このボトルは当初タダで譲っていただくということで話が進みかけ、いくらなんでもそれは流石に悪いということで、私のほうからは当時日本に正規の輸入がなかった200周年記念のラフロイグ15年をお渡しすることにしたのですが、送られてきたボトルをしげしげと見つめてみて、どう考えても私の渡したボトルがこれに釣り合うとは思えず(今考えても格が違うと思う)、非常に恐縮した思い出があります。

ダルモアは明治屋が日本へ輸入していますが、オフィシャルの限定ボトルに関しては日本にあまり入ってこない印象があり(実際出ているのかも不明)、格式の高い蒸留所ではあるものの個人的に他の蒸留所と比べて飲んでいるレパートリーが限られている蒸留所のうちの一つです。

さて、このボトルですが、かなり気難しいタイプのボトルです。そのまま飲もうとすると香りがなかなか開かず、グラスに注いでからもしばらく辛抱する必要があります。ただ、ほんの少し加水をするだけで印象がガラリと変わり、どっしりとした麦芽香と複雑で多様なフルーツ香に甘い香りを併せ持つ、非常に飲みごたえのある一杯に劇的に(本当に劇的に)変貌します。彼女に足りなかったのは潤いだった!というか、髪を下ろして眼鏡をとったら凄い美人だった!というか、とにかく驚くべき変貌なので、飲む機会がありましたら是非お試しいただきたいです。

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