クライヌリッシュ 1998-2021, 22年 51.8% The Whisky Hoop:必飲ボトル。現行ボトルで味対価格比を考えるとこのあたりがギリギリか。高い香味バランスは古酒感にも通ずる。

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CLYNELISH 1998-2021, 22Y. 51.8% SIGNATORY VINTAGE for The Whisky Hoop

Matured in Refill Butt

Cask number 11699


評価:★★★★ Recommend!

CP:☆☆☆

価格:★★★★☆


ボトル紹介

TWH和紙ラベル最新。クライヌリッシュとしては2本目。

日本の会員制ボトラーまたはウイスキー愛好家団体であるThe Whisky Hoop(以下TWH)の2021年8月のボトルであるクライヌリッシュ22年。1998年蒸留リフィルシェリーバット熟成のシングルカスクです。

TWHからリリースされるボトルの中でも特別なものに採用される和紙ラベルがあしらわれており、それだけでも味わいへの期待が高まります。

クライヌリッシュが和紙ラベルとして採用されるのは今回が2本目です。1本目は2019年にリリースされた1995年蒸留、リフィルシェリーホグスヘッド熟成の23年もので、当時飲んで味わいに感動した私はとても高いテンションでブログ記事を書いています。

このボトルは昨今の情勢を鑑みる形で、会員全員が購入する頒布ボトルではなく、購入は希望者のみとして販売されました。

価格は第一弾と比べて約2倍と高額でしたが会員人気は非常に高く、急遽購入制限がかけられたほどです。会員のみで完売となったため、一般販売はおそらくないだろうと思われます。


TASTING

美味しいウイスキーとは?意味あるウイスキーとは?への模範解答。全てがハイレベル。

和紙ラベル1本目のクライヌリッシュに続き、こちらも傑作と言っていいでしょう。必飲です。文句ありません。価格を考慮しても間違いなくRecommendできるボトルだと思います。

渾然一体とした複雑な香味、古酒感を思わせる熟成年数以上にこなれた麦芽感、嫌味なく乗っている綺麗な樽感、クライヌリッシュらしい蜂蜜や蜜蝋のニュアンス。

麦芽、熟成、樽、原酒の個性と、シングルモルトに備わるべき要素が全て揃っている上に、まるで当たり前であるかのように香味のバランスが取れています。

美味しいウイスキーとは?意味あるウイスキーとは?への模範解答と言えるような味わいのボトルだと思います。

樽に由来するシェリー感はリフィルシェリーバットによる穏やかなものであり、以前の和紙ラベルのクライヌリッシュがリフィルシェリーホグスヘッド熟成でしっかりとしたシェリー感だったことと比較すると、樽のサイズによる樽由来の香味の出方の違いがよく分かるでしょう。

決して安くない価格に関しては賛否あると思いますが、ここ最近のボトル高騰を考えると、現行ボトルとして味わいとの釣り合いを考えた場合、個人的にはこのくらいの価格がギリギリかなと思っています。


TASTING NOTE

香り:

香り立ちは穏やかに始まり、徐々にしっかりと濃厚に。甘く、非常に複雑かつ渾然一体としていて、蜂蜜、麦芽の熟成感、やや渇いた印象の樽感。プラム、パイナップル、アプリコット、ブラウンシュガー、ローストアーモンド、キャラメル、バナナ、フレンチトースト、ゆっくりと蜜蝋を思わせるワクシーさ、マッシュした麦芽の甘さ、非常に弱くスミレや芳香剤のようなフローラル香(全体の香味バランスを一切崩さないExtremely Light Perfume)。

味わい:

度数よりも優しい口当たり。飲むと、ミックスフルーツを思わせる複雑なフルーツ香と麦芽の熟成感の渾然一体とした印象が、香り以上に鮮烈に広がる。滋味深いにも関わらず華やか。心地良いウッディネスと収斂、蜂蜜、バニラ、ナッツ、キャラメルとバナナ、葡萄畑、弱く腐葉土。ボディは非常に厚く、引っ掛かりなく余韻へと移行する。

余韻:

渾然一体とした果実感と麦芽の熟成感が長く続く。ジンジャー、クローヴを思わせる穏やかなスパイス感を伴う。

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