大推薦。8thよりも香りと味わいのコクがアップ。
KILCHOMAN 2009-2019, 9Y. 50%
評価:★★★☆ Recommend!
CP:☆☆☆☆☆
価格:★
ボトル紹介
2019年リリース、原料も産地も全てアイラ島の第9弾
アイラ島に2005年に創業したキルホーマン蒸留所からリリースされた「100%アイラ」と銘打たれたボトルの、2019年度版です。
ネックラベルによると、2007年と2009年に収穫された麦芽から蒸留された原酒を使いていて、バーボンバレルで熟成させた43樽をヴァッティングしているそうです。
スモールバッチを旨とするキルホーマン蒸留所らしく、このボトルも本数限定ですが、ボトリング本数は今までのリリース同様全世界で12000本と、比較的入手しやすいボトルです。
ただ、今回のボトルは…めっちゃ良いですよ。
テイスティング
良さが光った8thの味わいを余裕で超えてきた。今後のリリースにも期待が膨らんでしまう。
激推しボトルです。
飲んでみてください。そして、買いに走ってください。
フルーティーアイラであり、麦芽の旨味が濃く、9年という短めな熟成年数をものともしない、豊潤な味わいを備えたシングルモルトだと思います。
仮に経年変化させたとしても、60年代蒸留以前の超オールドボトルに見られるような、何物にも替えがたい「シングルモルトそのものの旨味」を身に纏うのではないかとすら思っています。
一年前に記事にしたキルホーマン100%アイラ8thも、「その当時までのキルホーマン史上一番良い」と感じた素晴らしいシングルモルトでしたが、個人的に9thはそれを超える味わいだと感じています。
香り立ちも味わいも、8thより更にコクが深まっていて、飲み比べてみるとそれがよく分かるのではないかと思います。ピートスモーク、シナモン、アップルパイ、グレープフルーツ…。フルーティーアイラモルトとして必要十分です。
確かに、熟成感に由来するような渾然一体感はないかも知れません。しかしシングルモルトの、更に言えばウイスキー全体の魅力は、それだけではないことを、このボトルが証明してくれます。
フルーティーさ、麦芽感、アイラピート。その全てのしっかりとした仕事ぶり。それらをきちんと感じさせる仕上がりにも関わらず、10000円を切るとコスパの高さ。
アイラモルトファンであれば必携、そうでなくても一度は飲んでほしい、そんなシングルモルトです。近年オフィシャルボトルの白眉だと言えると思います。
今までのキルホーマンのオフィシャルボトルとしては最高のリリースだと思っています。
こうなってくると10thはどうなるんだろう…。マジで楽しみすぎるんですけど!
キルホーマン、やっぱりこれからも注目せざるを得ない蒸留所です。
テイスティングノート
香り:
しっかりした香り立ち。フルーティーなアイラモルト。スモーク、シナモンアップルパイ、塩を振りかけたグレープフルーツとバレンシアオレンジ、香ばしさと甘さを伴う太い麦芽香。
味わい:
しっかりとした口当たりで度数相当。潮気と濃密な麦芽の甘味、蜂蜜、グレープフルーツ。ボディは厚い。
余韻:
グレープフルーツと穏やかな潮気を引き継ぎつつ、穏やかなドライさと収斂を伴うウッディネス、ほんのりとバニラ。
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