グレンキース 1993 – 2012、55.3% for BOND#1 members by Dave Bloom

近年のスペイサイドらしさ全開。分かりやすく美味しいボトル

GLEN KEITH 1993-2012, 55.3%

selected for Bond#1 members by Dave Bloom


評価:★★★ Recommend!

CP:NR

価格:NR


ボトル紹介

目次

Bond#1会員向けのオリジナルボトル第一弾

今はなき会員制組織「Bond#1」のオリジナルボトルの第一弾としてリリースされた1993年蒸留グレンキースです。

自前で所持していたのは200mlのものでした。


Bond#1について調べ直したので御報告

キャパドニック 1992 – 201219年、55.9% for BOND#1メンバー by Dave Bloomの記事ではザックリという言葉では足りないくらいにザックリとしか紹介しなかった「Bond#1」について、古いメールなどを漁って見つけた情報をお伝えし直したいと思います。

2012年の5月に発足した「Bond#1」は、当時ウイスキーマガジン・ジャパンの編集長だったDave Bloom氏ディレクターを務める会員制組織でした。会費は5000円/365日。この時の親会社はWhisk-Eです。

会員限定ボトルの購入権の他、会員向けのテイスティングイベントなどを定期的に開催、協賛を元にしたプレゼント企画なども行なっていました。会員向けボトルはオリジナルボトル以外にもイチローズモルトのカードシリーズや軽井沢のシングルカスクなどを優先して購入できる案内が届くなど、振り返ってみると当時あまり有難がっていなかったことが信じられないくらいの充実振りです(私はASAMAという軽井沢原酒のボトルを買うにあたり、「これ別に大して好みじゃないんだよな」とか言ってた気がします。そして思い返せば当時カードシリーズをbond#1経由で購入したことがあった気がします。どっちも残ってません)。

その後、ウイスキー業界を取り巻く環境の変化により発足当初のコンセプトでサービスを継続することが困難になったことを理由に、20141231日をもって有料会員向けのサービスは終了となっています。

既に機能していませんが参考として当時のリンクを貼っておきます。あの日あの時のウイスキーを取り巻く空気の片鱗を感じていただければと思います。

Bond#1入会案内(当時):http://whiskymag.jp/about-premium-content/

各種限定ボトル(当時):http://whiskymag.jp/premium-bottlings/?page=page1


テイスティング

小粒だが仕上がりが良く、飲み飽きない。番人受けする味わいだと思う。

華やかで軽やか、個性的ではないかも知れませんが、スペイサイドモルトらしい良い出来のボトルだと思います。

おそらくバーボン樽で熟成されたであろうことを伺わせるバニラ、キャンディといった甘さの他、林檎や洋梨などの典型的なフルーツエステル香が盛大に現れます。

度数は55.3%と比較的高いですが、香味が開いていて引っ掛かりやドライ過ぎる印象がなく、口当たりもスムースです。

前回テイスティングしたウォードヘッド(グレンフィデック) 1989 – 201424 51.9% ウィスク・イー “The Spoon”と良く似た香味構成ですが、二つを比べるとこのボトルは熟成感とボディの厚みで劣るものの、香味の華やかさは明らかに上を行いっていると思います。

誰に飲ませても一定以上の評価を受けるだろう味わいで、Recommendで良いと思いました。


テイスティングノート

香り:

穏やかな香り立ちから始まり、徐々に強くなる。甘いフルーツ香が先行し蜂蜜、林檎、洋梨。バニラ、キャンディ。そこからバタートーストを思わせる穏やかだが芳醇な麦芽の甘み。乾いた木材を思わせる穏やかなウッディネス。

味わい:
度数相当にしっかりとした口当たりだが、香味が開いているためか非常にスムース。ドライさはややあるものの引っ掛かるような要素はない。溌剌とした麦芽の甘さ、林檎、アプリコット、バニラ、ほのかにワクシー。ボディは中程度で、程なく余韻へと移行する。

余韻:

樽由来の甘さと麦芽の甘さが収斂と共に長く伸び、そこからじわじわと穏やかな生姜のスパイス感とドライさ、少しのミントが現れる。ワクシーさ乾いた木材を食んだような苦味もアクセント程度に現れる。余韻は穏やかだが長め。


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