Home #tasting note ハイランドパーク 2007-2020、13年 57.1% DECADENT DRINKS向け:近年系シーズニングシェリーモルトの佳作。深みのある甘さにスモーキーピートが良いアクセント。

ハイランドパーク 2007-2020、13年 57.1% DECADENT DRINKS向け:近年系シーズニングシェリーモルトの佳作。深みのある甘さにスモーキーピートが良いアクセント。

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HIGHLAND PARK 2007-2020, 13Yo 57.1% Single Cask Series Selected by and exclusively bottled for DECADENT DRINKS

First fill Europian Oak Sherry Hogshead. cask No. 4613, 349 bottles.


評価★★★ Recommend!

CP:☆☆

価格:★★★(関税など含む)


ボトル紹介

ここ最近出来の良いボトルが多いハイランドパークのシングルカスクシリーズから、DECADENT DRINKS向け。

ハイランドパークのオフィシャルボトル、DECADENT DRINKS向けのシングルカスクです。ウイスキースポンジというシリーズで良ボトルを連発しているボトラーとして有名なところですね。

ハイランドパーク蒸留所(またはオーナー企業であるエドリントン)から直接樽を買い付けたボトラーズ各社や個人購入者向けの「シングルカスクシリーズ」としてリリースされています。簡単に言うとオフィシャルボトルのPB(プライベートボトル)です。

ボトルのスペックとしてはファーストフィルシェリーホグスヘッド樽で13年熟成、ただし樽材はアメリカンオークではなくヨーロピアンオークを使用しています。

ベリー系の甘さがしっかりと出る代わりにスパイシーで刺すようなドライな個性も出やすいアメリカンオークに比べて、ヨーロピアンオークは甘さ控えめながらカカオのようなビターさや黒蜜を思わせる深みのある甘さが出る傾向があると思っています。

今回、

『樽はウイスキー熟成用のシーズニングシェリー樽だろうけど、ヨーロピアンオークなら樽からのエキスがバリバリに出るアメリカンオークよりも深みのある甘さが主体で、口当たりと余韻のスパイシーさやドライさも少なく、もしかしたら古酒感も出たシェリーモルトになるかも知れない。樽の大きさと熟成期間が上手くハマる必要はあるけど、樽からの影響が強めなファーストフィルシェリーホグスヘッドで13年熟成であれば、本来モルティーで長熟向きなハイランドパーク原酒で上手く仕上がるポイントである可能性がある。それに、ここ数年のハイランドパークのオフィシャルシングルカスクは外さない出来のものばかりだし、オーナー企業がマッカランと同じエドリントンなので、オフィシャルラベルでリリースされるこのシリーズには割と良さげなシェリー樽原酒を回してそう。期待できそうな気がする。』

というような思惑から、スペック買いしてみた1本です。

結果、味わいはだいたい狙い通りで、抜栓直後から美味しいボトルでした。送料や関税込みでなかなかのお値段になってしまった以外はナイスチョイスだったと思います。

そんなわけでテイスティングしていきます。

テイスティング

ほろ苦く深みのある甘さが好印象。近年系シーズニングシェリーモルトの佳作。

近年系シーズニングシェリーモルトの良作で、シェリー由来の香味にはヨーロピアンオークの個性がしっかりと表れているだけでなく、熟成年数と樽種との組み合わせ的にも詰め時を心得たリリースではないかと思います。

先述した通り、シェリー由来の香味はレーズンのような華やかな甘さではなく、カカオや黒蜜を思わせるようなビターさの効いた深みのある甘さです。これはスパイシーさや刺すようなドライさが少ないことと合わせてヨーロピアンオークの個性だと思います。

(ヨーロピアンオークはアメリカンオークに比べて生育が遅く、年輪が稠密なことから樽材からのエキスの抽出が遅いため、香味にこのような違いが生じるという話を伺ったことがあります)

香りの奥からは心地良いタンニンの収斂と土っぽさとともにプルーンやほんのりとレーズンのような甘い印象も感じられ、それらをハイランドパークのスモーキーなピート由来の香味が下支えすることで、香味に更なる深みを与えています。ヨードの効いたアイラピートではこうしたバランスにはならなかっただろうと予想されます。

シェリーバットより小型のシェリーホグスヘッドを使うことで樽由来の香味の影響をしっかりと得つつ、13年という絶妙な熟成期間でボトリングするのは、もしかしたら結構難しいことだったのではないかと思われます。選定者の優れた審美眼の為せる技かも知れません。

何も考えなくても美味しく飲める上にスペックにこだわるウイスキーマニアも納得の仕上がりであり、価格の問題はあったにせよ、味わいとしては十分にRecommendです。

テイスティングノート

香り:

度数相当のしっかりとした香り立ち。カカオ含有量の高いビターチョコレートや黒蜜を思わせる深い甘さのシェリー香が主体。皮付きの葡萄の甘い香りと土っぽさが合わさり、葡萄畑のような印象。それらをスモーキーなピートが下地さえしている。ビターチョコレート、黒蜜、プルーン、クロスグリ、ほんのりブルーベリー、黒土、家具と埃、遠くで燃やした煙。アルコールの刺す印象が少しある。

味わい:

度数相当にしっかりとした口当たり。ビターさを伴った複雑な甘さを香りから引き継ぎ、ほんのりと古酒感、その後じわじわとベリー系の甘さが上がってくる。皮付きの葡萄とその茎、奥から弱くイチゴジャム、程良いタンニンの収斂。ボディは厚め。

余韻:

味わいを引き継ぎ、やや長めの余韻。樽由来の甘さが徐々に薄れていき、スモークと麦芽の甘さが残る。

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