リンクウッド 1992 – 2019、27年 46.9% ザ・ニンフ ブルーダン for ハリーズ高岡

富山県から国内ウイスキー市場へと静かに投下された爆弾。

LINKWOOD 1992-2020, 27Y. 46.9%

The Nymph “Blue Dun”

Special bottled for Harry’s Takaoka

cask No. 5282

Cask Type: Hogshead

300 bottling


評価:★★★☆R!

CP:☆☆☆☆☆

価格:★☆


ボトル紹介

北陸の新生ボトラー「ニンフ」第一弾リリース

過去最高なのではないかと思えるくらい、ブログの更新期間が開いてしまったドリンカーズラウンジです。

皆さん元気に過ごしてますか?僕は元気です。

久しぶりの紹介は、突然ボトルリリースが公表された『ザ・ニンフ』シリーズ第一弾、1992年蒸留のリンクウッドです。バーボンホグスヘッド熟成の27年もので、富山県にあるモルトバー 「ハリーズ高岡」向けにボトリングされました。ボトリングしたのは三郎丸蒸留所とモルトヤマの共同プロジェクトT&T TOYAMAです。

発売は2020年5月18日12:00から。下記サイトで購入可能でしたが、この記事を上げる前に完売。みんな決断早!

若鶴酒造:https://www.shop-wakatsuru.jp/

モルトヤマ:https://e-singlemalt.co.jp/


富山発のウイスキープロジェクト『T&T TOYAMA』

画像はT&T TOYAMAとは無関係です。

T&T TOYAMAは三郎丸蒸留所の稲垣貴彦氏、モルトヤマ下野孔明氏が立ち上げた、富山発の共同ウイスキープロジェクトの名前です。

いわゆるインディペンデントボトラーズとは異なるものの、今回リリースされた『ザ・ニンフ』は、T&T TOYAMAからリリースされるブランド名/シリーズ名のひとつという位置付けになります。

『ザ・ニンフ』シリーズには、

「泉や川に美しい妖精ニンフが住むように、美味しいウイスキー樽には美しい精霊(スピリット)が宿るのではないか」

という思いが託されています。


北陸は今、ウイスキーが熱い

北陸地方はウイスキーが産業としても文化としても少しずつ定着の兆しが見え始めている地域です。

三郎丸蒸留所を中心に、北陸ウイスキークラブ、シングルモルト通販モルトヤマらがガッチリと連携し、北陸地方では初のウイスキーフェスティバル「ウイスキーノマーレ」の開催(2020年度開催はCOVID-19により中止)なども含めて、今後盛り上がるかも知れない国内ウイスキーツーリズムにおいても重要な場所の一つになるのではないかと思っています。


テイスティング

富山からの殴り込みか?素晴らしく完成度の高い味わいなのに、お値段据え置き!

やってくれましたね…。

この味わいの完成度。どうやってこの価格でリリースできたんだろう。

選定者のモルトヤマ下野さんによると、「たまたま良いサンプルが安かった」とのことですが、このレベルのボトルをこの価格帯でリリースするのはほとんどテロに近いというか、もう富山からの殴り込みレベルです。

「27年の長期熟成」「カスクストレングスなのに度数落ちな46.9%」「樽香が出過ぎないバーボンホグスヘッド」「素直な酒質のリンクウッド」…

これらボトルスペックの全てが指し示す先にある「穏やかな樽感をまとった、長熟スペイサイドモルトのシングルカスク」を体現したような香味がそこにあります。

麦芽の熟成感、複雑で華やかなフルーツ香、付きすぎていない樽香。この3つの香味が46.9%まで落ちた度数の中でまとめられ、見事なバランスを保っています。

香りは時間をかけてゆっくりと開き、口に含むと樽由来の収斂、フルーティーさが同じくゆっくりと広がります。

こういうボトルはハマるとヤバイんです。

立ち上がってくるフルーツ香を一通り感じ、熟成が織りなす複雑さを感じて、またフルーツ香を…みたいなことになってしまい、いくらでもノージングできるし、テイスティングできてしまいます。

人によっては度数の低さ、それにより余韻が長くないことに物足りなさを覚えるかも知れません。しかしこのボトルはスペック的にもそうした香味を楽しむタイプのボトルではなく、香味の絶妙なバランスを楽しんでほしいなと思います。

味わい的にも価格的にも文句なくRecommendです。久しぶりに心躍るリリースでした。次回以降のリリースも予定されているそうなので、非常に楽しみです。


テイスティングノート

香り:

香り立ちは穏やかだが、熟成感と樽香が合わさり、複雑でとても心地良い。熟成感のある麦芽香とともにアプリコット、白葡萄、林檎のコンポート、樽由来の穏やかなバニラ香、糖蜜、蜂蜜。静置しておくと葡萄の皮、穏やかなオーク香、ビスケットとバター。

味わい:

口当たりは度数相当で、僅かにオイリーなニュアンスを伴いながら口の中に広がる。まず樽由来の収斂とオーキーさがやや強く感じられた後、皮付きのアプリコット、砂糖漬けの柑橘、オレンジマーマレード、グレープフルーツ、グレープフルーツの皮とワタ。ボディは中程度。

余韻:

味わいから継ぎ目なく移行して、熟成感のある麦芽の甘さとオーク香、バニラ香が開き、穏やかな収斂とほろ苦さ、ドライさを残す。余韻の長さは中程度からやや短い。

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