グレントファース 1996 – 2019、22年 50.2% ハートブラザース シングルカスク:香味展開が面白く、飲むほどに味わい深い。

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GLENTAUCHERS 1996-2019, 22Y. 50.2% HART BROTHERS SINGLE CASK

photo by scotch-malt.co.jp


評価:★★★ Recommend!

CP:☆☆☆

価格:★★


ボトル紹介

国内輸入は久し振りな気がするハートブラザースから、シングルカスクのグレントファース

インディペンデントボトラーのハートブラザース社から、1996年のグレントファース、バーボンカスク熟成の22年ものです。ちょうど10月に日本に入ってきたばかりのボトルです。

ハートブラザース社このシリーズは以前「ファイネストコレクション」と呼ばれていましたが、ある時期からその文字があったところが「シングルカスク」という言葉に置き換えられました。同社のホームページを見てもファイネストコレクションの文字は見当たらず、現在のラインナップは「Single Cask(シングルモルト/シングルグレーン)」「Blended Malt」「Legends」というように整理されているようです。

グレントファース蒸留所は、ブレンデッドウイスキーが全盛だった19世紀末(1898年)に当時ビッグ3と呼ばれたブレンダーの一人、ジェームス・ブキャナン氏(の会社であるブキャナン社)によって設立されました。設立の目的はブレンデッドウイスキー用の原酒確保であり、それは閉鎖と買収を経てオーナー企業が変わった今も変わっていません。原酒はブラック&ホワイト、ロイヤルハウスホールド、バランタインなど様々なブレンデッドウイスキーに使われていますが、基本的にオフィシャルボトルはリリースされていないため、ボトラーズからリリースされるボトルを通して楽しむことになります。


テイスティング

最初は「?」、そこから「!」。香味展開が面白く、飲むほどに味わい深い。

香味展開が面白く、飲むほどに味わい深いボトルです。

最初は根菜のような香味が現れて、それが全体を決定するかと思われた直後からレモンやグレープフルーツを思わせる爽やかで酸味のあるフルーツ香が現れます。香りにはどこか薬草系リキュールを思わせるような印象があります。

林檎や洋梨を思わせる甘いフルーツ香は最初隠れているわけですが、口に含むとバニラや甘く溌剌とした麦芽感とともに開いてきます。フルーツ香は余韻にかけてますます強くなるため、味わいから余韻にかけての満足感が非常に高いです。

もしかすると今後の抜栓からの時間経過でこうした香味展開には変化が見られるかも知れませんが、現時点での香味展開が面白い上に飲むほどに美味しく、ちょっと驚きのあるボトルでした。


テイスティングノート

香り:

しっかりとした香り立ち。土を落とす前のゴボウのすぐ後からレモン、グレープフルーツの皮を思わせる酸味のある甘さ。スワリングせずに置いておくとグァバも。少し遅れて溌剌とした麦芽の甘さ。若干ニガリのような印象もあるが静置で消える。

味わい:

しっかりとした口当たり。麦芽の甘味が強くなり、濃密に広がる。そこから林檎、洋梨が開いてくる。ボディは中程度。

余韻:

余韻は味わいよりも香味が開く印象で、シロップ、バニラ、オレンジ、ピンクグレープフルーツ。穏やかなドライさ。

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