2つの異なるスモークが、樽と麦芽の甘みに絡む。よくできたブレンデッドモルト。
評価:★★★ Recommend!
CP:☆☆☆☆
価格:★☆(現在は終売)
ボトル紹介
ドイツの新興ボトラーから、星座と星々をモチーフにした1本
2016年に設立したばかりのドイツの新しいボトラー「スコッチユニバース」。2018年には東京バーショーでセミナーも開催したりしてました。
今回のボトルは同社からリリースされたソーラーフレアというタイトルのボトル。「アルファ」という言葉はその1本目という意味で使われているようです。
タイトル以外は数字とアルファベットが羅列された独特なラベルデザインで、蒸留所や熟成年数の記載はされていませんが、このボトルは20年もののラフロイグと20年もののハイランドパークの使ったブレンデッドモルトだと考えられています。
このボトルは萌木の村Bar Perchでいただきました。
スコッチユニバースのボトルの読み方
スコッチユニバースは全てのボトルを蒸溜所非公開で販売していますが、ラベルの読み方さえ分かれば熟成年数や蒸溜所を始めとした多くの情報を読み取ることができますので、上記のラベルでその読み方の基本を紹介します。
ラベルで最も目立つ文字列である
87° LP14.1′ 1898.1″
この読み方を紹介します。
先に述べてしまうと、左から、熟成月数、ピートの有無、樽種、樽の使用頻度、蒸溜所の創業年、生産地区分となっています。
①最初の数字である87は熟成月数です。上記のラベルでは87ヶ月という意味で、つまり7年と3ヶ月熟成していることが分かります。
②次の英字LPはピートの有無を表します。U=アンピート(ピートなし)、P=ピーテッド、LまたはLP=ライトピーテッド、HP=ヘビーピーテッドです。このラベルはLPなので、ライトピートの原酒を使っているということです。
③次に続く14.1は、樽種と樽が何回使われたかを表しています。樽種は全部で14種類、1=バーボン、2=シェリーで、14=ワインバリックだそうです。その後の1はファーストフィル、2はセカンドフィルを表します。これには1か2しかなく、3rdフィル以降の樽は使用しないそうです。この情報に関しては、ラベル下に文字で記載されているので、正確に符号を覚える必要はありません。
④1898.1は、原酒の蒸溜所の創業年と、その蒸溜所の生産地区分を表しています。これにより、蒸溜所の絞り込みが可能となります。1898はとりあえず置いておくことにして、それに続く数字は1=ハイランド地域という意味です。2=スペイサイド、3=ローランド、4=アイラ、5=アイランズとなっています。このラベルではハイランド地域で1898年に創業した蒸溜所ということで、候補に上がるのは東ハイランド地区のアードモア蒸溜所となります。
上記をもとに、このボトルに書かれている253° L1.2′ 1815.4 : 1798.5″を読み解いてみてください。
テイスティング
これ美味しい。
ブレンデッドモルトとしての出来は良いと思います。純粋に美味しく飲める上、飲み慣れていれば原酒の要素分解も比較的楽しめるのではないでしょうか。
ピートにおそらくラフロイグ由来であろうヨード感と、おそらくハイランドパーク由来であろうスモーキーさが感じられること、熟成年数相当に旨味が乗っていることなど、価格ベースで考えても仕上がりは上々だと思いました。
テイスティングノート
香り:
穏やかで甘い香り立ち。バーボンバレルの樽感と穏やかなアイラピート。蜂蜜、オレンジ。穏やかなアイラピートとうっすらとスモーキーさ。
味わい:
度数相当にしっかりとした口当たり。樽由来のオレンジや蜂蜜の甘さが強くなり、奥から麦芽の溌剌とした甘さが穏やかに現れる。
余韻:
甘さを引き継ぎ、穏やかなアイラピート、スモーキーピート。
コメント