ウォードヘッド(グレンフィデック) 1989 – 2014、24年 51.9% ウィスク・イー “The Spoon”

最近見なくなった、グレンフィデックのティースプーンモルト

WARDHEAD 1989-2014, 24Y. 51.9%

Whisk-E

“The Spoon”


評価:★★★☆ Recommend!

CP:☆☆☆☆

価格:★☆


ボトル紹介

目次

グレンフィデックのティースプーンモルト

ウォードヘッドという名称はグレンフィデックのティースプーンモルトに使用されます。

このボトルは2014年にウィスク・イーから発売されたものですが、ラベルにはスプーンの手を引く麦芽の絵が描かれています。繋いだそれぞれの手を見ると、麦芽の手には「Glenfiddich」の文字、スプーンの手には「Balvenie」の文字が刻まれていて、このボトルの構成原酒とその比率を物語っています。

こうしたリリースは今後も続くのかと思われたのですが、少なくとも私の知る限りではここ数年ボトラー全般からウォードヘッド名義での新規リリースは見られません。世界的なウイスキーブームで原酒の需要が高まり、蒸留所側もボトラーに樽を売る必要がなくなったということなのでしょう。

ティースプーンモルトについては、ウェストポート 1999 – 2014 15 51.1% BBR 復刻ラベル ウィスク・イー向けの記事の最後のほうで解説していますので、気になったら読んでみてください。

また、ティースプーンモルトは厳密にはブレンデッドモルトに該当しますが、このブログではシングルモルトと同様に扱っています。


テイスティング

華やかさ、軽やかさ、穏やかな麦芽感。レベルは高い。

香りの華やかさと口に含んでからの穏やかな麦芽の熟成感を併せ持つ典型的な近年スペイサイドであり、香味に欠点らしい欠点を見つけられない、優れたバランスを持った優良ボトルだと思います。

香りでも味わいでも、麦芽感よりは洋梨や林檎を思わせるフルーツエステル香が主体です。そこに熟成年数相当に複雑な麦芽由来の甘さが加わることで、華やかさの中に奥行きを伴う複雑な香味をしています。度数相当にしっかりとした飲み応えがあるにも関わらずドライさが抑えられていることろも好印象です。

麦芽感は強く主張するというよりは華やかさを下支えする印象で、こうした穏やかな麦芽感も含めて近年スペイサイドらしいと言えるのではないかと思います。しかも麦芽に熟成感があるため、ボディには相応の厚みがあります。

一貫して華やか、しかし紐解くと複雑で、飲み応えもあり、非常に良く出来たボトルだと思います。Recommendです。


テイスティングノート

香り:

しっかりとした香り立ち。非常に華やかで、明確な洋梨と林檎、杏子も。そこに蜂蜜と熟成感のある麦芽の甘さ。微かにミント。シンプルだが奥深い。

味わい:

度数相当にしっかりとした口当たりだが引っかかりはない。香りの要素を引き継ぎ、麦芽の甘さが穏やかに主張する。樽由来のウッディネスも程よく、僅かな収斂、バニラアイスクリーム。ボディは中程度よりやや厚い印象。

余韻:

味わいを引き継ぎ、麦芽、樽感、フルーツエステルを感じさせつつ、生姜のドライさとスパイシーさで終わる。比較的長い。


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