アラン 2010 – 2018, 8年 57.3% The Whisky Crew プライベートカスク

狙い通りの味わい。未熟さもない良作ボトル

The Arran Malt 2010-2018, 8Y. 57.3%

Private Cask for The Whisky Crew

Matured in Quarter Cask: 15/QC/282


評価:★★★ Recommend!

CP:☆☆☆☆

価格:★


ボトル紹介

TWC第一弾ボトル

ウィスク・イーの会員制サイト「The Whisky Crew(以下TWC)」から、プライベートボトル第一弾としてリリースされたアラン8年クオーターカスク熟成です。

アラン蒸留所は数年前から年間限定ボトルではあるものの「ボジー」というクオーターカスクフィニッシュの製品をリリースしていますが、最初から最後までクオーターカスクで熟成されたアランは僕の知る限りではこのボトルが初めてです。


The Whisky Crewについて

TWCはウィスク・イーが2019年6月にスタートさせたばかりの会員制サイトです。

初期招待会員はバー関係者、および長年付き合いのある顧客に対して行われたようです。新規会員は既存会員からの紹介制で入会できるとのことです。

サイトでは同社が国内輸入元として取り扱う蒸留所のオフィシャルボトルやボトラーズブランド、ウィスク・イーのオリジナルボトルなどの一部が購入できる他、TWC限定のオリジナルボトルも販売されています。

今回のアランはTWC会員限定ボトルの第一弾ということになります。

https://thewhiskycrew.jp


クオーターカスクについて

シェリーバットの容量(約500L)を基準として、容量を1/4にした樽がクオーターカスクです。一樽の容量は約125Lです(ワイン樽を基準に1/4にした約55Lの樽もクオーターカスクと呼ばれますが、紛らわしいのと今はウイスキーの話なのでここでは割愛します)

基本的に既存の樽を組み替えて作られる特殊な樽であり、別名「ファーキン」とも呼ばれています。更に小さい樽にシェリーバットの容量を1/8にしたオクタブ(48-60L前後)があります。


樽の大きさと熟成期間中にウイスキーに与える影響について

熟成期間中を通してウイスキーの香味は樽材からの影響を受けます。影響を受ける程度は熟成期間と熟成に使われる樽がそれまで何回使われたものか「使用回数)の二つに依存しますが、一定期間に影響を受けるスピードは「ウイスキーと樽材とが接する表面積の大きさ」に依存します。

樽のサイズは小さいほど原酒に対する表面積が大きくなるため、サイズの小さい樽では短い熟成期間で樽由来の香味を付与することができます。

そうした理由からクオーターカスクやオクタブは、主にウイスキーのフィニッシュ(追加熟成)に使われる他、一部の蒸留所ではカスクオーナー用の樽としても用いられています。

シェリーバットの容量を基準としているものの、組み替えで使われる樽材はシェリーカスクのものである必要はなく、バーボンカスクの樽材を使ったもののほうがメジャーな印象があります。今回のアランも、記載はありませんがバーボンの樽材を使用したクオーターカスクだと思われます。


テイスティング

狙い通りの香味。未熟さも感じさせない優良ボトル

このボトルは小粒ながらツボを押さえた良いボトルだと思います。樽選定と元々の原酒の作りの良さの両方が感じられました。

8年という短い熟成年数から少なからず未熟さを覚悟して飲みましたが、その心配は要りませんでした。

クオーターカスク熟成の狙い通り、バーボン樽由来の香味が十分かつ綺麗に乗っているだけでなく、短い熟成年数によってそれが嫌味のないレベルできちんと収まっています。つまり樽由来の香味はしっかり感じられますが、それが行き過ぎていないということです。

またピート香で原酒の未熟さを隠すタイプのウイスキーでないにも関わらず、言い換えればピートを強く感じる香味ではないにも関わらず、原酒の未熟さはほとんど感じられませんでした。原酒の質の良さや素直さ、蒸留所のカスクマネジメントの巧みさを示すものであり、特筆に値すると思います。

香味自体は基本的に「樽と麦芽」というシンプルなもので、当然ながら熟成感に由来する複雑さはありません。

しかし全体を通してネガティブな要素がなく、ウイスキー飲みに好まれる要素に溢れていて、仕上がりもキャッチーだと思います。

ツボを押さえたソツのない仕上がりで、サイト発足に合わせた限定ボトル第一弾としては上々の出来だと思いました。

TWCの今後の展開にも期待したいです。


テイスティングノート

香り:

しっかりとした香り立ち。バーボンカスク由来の甘さが主体。バニラ、キャラメル、カスタード、やや揮発香、奥から麦芽の甘み。麦芽の甘みには仄かにローストした印象も。

味わい:

口当たりは度数相当にしっかりとしている。やや収斂を伴う樽由来の甘さと、溌剌とした麦芽の甘さ。キャンディ、バニラ、軽く煎った麦芽の甘み。暖かく湿った印象で、ボディは中程度。

余韻:

樽由来の甘さの中に程良いウッディネスが現れる。穏やかなドライさとミント、微かに胡椒を思わせるスパイス。


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