ホワイトラベル デュワーズ NAS 43.4%, 80年代流通、フィリピン経由

オールドボトル入門編?ブレンデッドらしい一体感と軽い飲み口

White Label Fine Scotch Whisky Dewar’s

86.8°Proof, 750ml for export to the Philippines. (80’s)


評価:★★☆

CP:NR

価格:NR


ボトル紹介

瓶詰めウイスキーを売った世界初の会社、デュワーズ

僕自身は世代ではなく、文献で学んだ古い知識であることを承知で話しますが、往年のブレンデッド・ウイスキーの五大名家、いわゆるBIG5と言えば、ジョン・ウォーカー&サンズ(Johnnie Walker)、ジョン・ヘイグ(HaigとかDimpleとか)、ジェームス・ブキャナン(Black & WhiteとかUsher’sとか)、ホワイトホース(White Horse)、そして今回紹介するジョン・デュワーズ&サンズ(White Label)です。

ブレンデッドウイスキー全盛の時代を築き上げ、財を成したこれら五大名家の歴史については、「ウイスキー大全」「ブレンデッドウイスキー大全」「スコッチオデッセイ」などを紐解くといいかと思います。

今回のボトルはBIG5の一角であるジョン・デュワーズ&サンズのスタンダードボトルであるホワイトラベルです。流通年代は1980年代だと推定されるオールドボトルで、現在では「デュワーズ」という名前で発売されています。


アメリカの公民権運動を受け、ホワイトラベルから名称変更

ジョン・デュワーズ&サンズ社のホワイトラベルは、現在でもデュワーズ(Dewar’s)と名前を変えて脈々と発売されています。

デュワーズは普通の居酒屋さんでもハイボール用としてよく使われているので、知らずに飲んでいる人も多いくらい、とてもありふれたウイスキー(ブレンデッドウイスキー)です。

ホワイトラベルが何故デュワーズに名称変更されたのかは、1960年代から1980年代にかけて起こったアメリカの公民権運動が強く関わっています。

「I have a dream」的なアメリカの公民権運動や60年代から80年代にかけてのアメリカの文化風俗に関しては「各自お勉強していただく」として、歴史の教科書には絶対に載らないウイスキーに関係する部分を非常にざっくり説明すると、黒人の権利を強く訴える公民権運動を背景として「ホワイトラベル」という名称が白人優遇的・人種差別的であるとされ、当時最大の輸出先であったアメリカ国内での売り上げが大きく落ち込むという危機があったのです。それが名称変更の最大の理由です。すごく平たく言ってしまうと、名前的な問題で売れなくなったから名前を変えたわけです。ビジネスですね。

とは言っても、販売元のジョンデュワーズ社としても歴史あるホワイトラベルという名前への拘りは強かったのか、ラベルの切り替えは国や地域毎に段階的かつ緩やかに行われました。そのため「ホワイトラベル-デュワーズ」のラベルには物凄い数のバリエーションが存在します。

正確な経緯を追うことは出来ませんでしたが、共通する変化はホワイトラベルの文字が時代を追う毎に小さくなり、反対にデュワーズの文字がどんどん大きくなっていくというものです。


テイスティング

ブレンデッドらしい、ライトで引っ掛かりのない飲み口

今回のホワイトラベルはフィリピン経由で、流通年代としては70年代後半から80年代にかけてだと思われます。

これより更に古いボトル、例えばティンキャップ仕様(国内流通品では雑酒表記)などと比べると特別感はありませんが、非常にライトな飲み口で、引っかかりもなく、未熟なニュアンスもあまり感じない点、グレーン由来の尖った印象が少ない点など、評価できるポイントは多いです。これらには瓶内での経年変化の影響も出ているかも知れません。

オールドボトルの宿命として、若干のヒネ香はありますが、これはボトル毎の状態差に還元出来ると考えています。

ヒネ香については、このボトルに関して言えば古酒感を演出するための丁度良いアクセントに止まっていて、ヒネすぎて飲めないということはありませんでした(そして後日しっかりと抜け、旨味が増しました)。


デュワーズハイボール

ライトな飲み口は現行のデュワーズと同様、ざっくりとした感じでハイボール向きのボトルだと思います。

ちょっとしたヒネ感がオールドボトル特有の良いアクセントとなり、現行ボトルにはない特別感を演出してくれるかも知れません。


基本的にオークションなどで入手するしかなく、現行ボトルよりはどうしても高くなってしまうものの、物によっては5000円しないで入手できます。そのため、オールドボトルとしてはまだ気軽に楽しめる部類です(現行のデュワーズは1500円あれば買えてしまいますが)。

気になったら探してみてもいいと思います。


テイスティングノート

香り:

穏やかな香り立ち。古酒感、モルティな甘さが先行する。微かなヒネ香はあるが全体のバランスに影響しない。水に溶いたザラメ糖、アップルパイ、リンゴのコンポート、洋梨。奥から微かなナッツ、オレンジ、オレンジマーマレード、うっすらと蜂蜜。非常に微かな内陸系ピート香。香味は整っていて、穏やかだが一定の複雑さがある。

味わい:

滑らかでひっかかりのない口当たり。麦芽、バニラ、グレーンの甘さ。ウッディネスも感じられるがあまり主張せず、下から支えるような印象。ライトボディ。

余韻:

ややグレーニー(グレーン感)。穏やかなミントの清涼感。ヒネ香は少し残る。


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