インペリアル 1990 – 2018、28年 50.1% ウイスキートレイル ディスティラリースペシフィック cask#935

シスターカスクの赤いほう。濡れた印象、赤いフルーツ。

IMPERIAL 1990-2018, 28Y. 50.1% Whisky Trail “Distillery Specific”

Elixir distillers for Whisk-E, Japan.

cask# 935, barrel


評価:★★★ Recommend!

CP:☆☆

価格:★★★


ボトル紹介

目次

武川蒸留酒販売からひっそりと独占販売されたシスターカスク

ウィスク・イー向けのインペリアルには全国の酒販店に卸された樽番号936の「青ラベル」の他に、武川蒸留酒販売の独占でひっそりとリリースされた樽番号935の「赤ラベル」があります。

シスターカスクに当たる樽番号936、青ラベルの記事はこちらです。

インペリアル 1990 – 201828 52.1% ウイスキートレイル ディスティラリースペシフィック cask#936

順調に売れていった青ラベルに比べこちらのほうは全く宣伝されず、気が付いた人だけが注目していたボトルでした。気が付いたといっても、青ラベルを検索してたまたま見つけたという人がほとんどだろうと思います。

2019年6月4日現在、まだ残ってるみたいです。


テイスティング

やや濡れた樽感と落ち着いた赤いフルーツ

青ラベルと同じくバーボンバレル熟成の赤ラベルですが、おそらくこっちもリフィル以降のバーボンバレルで熟成されたのではないかと思います。

オーキーでやや乾いた樽感の青ラベルに比べて、赤ラベルの樽感はそれより少しだけ濡れた印象があります。青ラベルより僅かにしっかりとした印象を受けましたが、樽感だけにフォーカスすれば正直ほとんど変わらないレベルです。

青ラベルと比べて度数が少しだけ低いぶん、特に余韻でのドライさとスパイシーさは幾分抑えられています。

また、味わいには麦チョコ感、赤い果実を思わせるフルーティーさが感じられ、これは赤ラベルの持つ優れた特徴だと思います。バニラや蜂蜜の他、アマレットリキュールや微かな桃感も感じられるかも知れません。フルーティーさはゆっくりと上がってくる印象です。麦芽の熟成感もしっかりと備わっており、これらが合わさって香味に奥行きを与えています。


赤ラベルも青ラベル同様に完成度の高いボトルだと思います。

どちらが好みかは人それぞれですが、個人的にはパンチの効いた一杯の満足度を求めるなら「青」、じっくりと腰を据えて飲むなら「赤」かなと思いました。

飲み比べ当初は青ラベルが好きでしたが、今は比較的飲み疲れの少ない赤ラベルのほうが好きになりました。

あのときはこんなこと言ってたのに(笑)


インペリアルは酒質的に唯一無二ではないが、美味しいならそれで正義である

ぶっちゃけてしまいますが、こういうタイプの味わいが好きなのであれば別にインペリアルでなくてもいいんです。

「閉鎖蒸留所!」とか言って煽ってみたものの、もともとブレンド用として作られた中庸な味わいの原酒なので、今後似たタイプの味わいに出会うことは多いでしょう。

もし1万円台で買えた頃の(たかだか2、3年前ですが)既存ボトルを所有しているのであれば、しばらく寝かせて資産価値を上げても構わないと思います。

ただし飲まないことを前提でこのボトルを買うのは、場合によっては割に合わないかも知れないと思いました。

今回発売された2本の長熟シスターカスクのおそらく最も素晴らしい部分であり救われている部分は、「飲んで美味しい」ということです。

こんなことを言っては失礼かも知れませんが、閉鎖蒸留所ということ以外にアピールポイントの感じられないインペリアルはたくさんある気がしますし。

だからこそ、何だかんだ言いつつも、私は今回のリリースが結構好きです。

もっと宣伝したらすぐ売れたと思うんだけど(笑)


テイスティングノート

香り:

しっかりとした香り立ち。バニラ、水で溶いた蜂蜜、少し濡れた印象のある心地良い樽感のオーキーさ、アマレットリキュール、オレンジピールの甘さと苦味、奥のほうに微かに桃。熟成感のある麦芽香。

味わい:

口当たりでは少しドライさとスパイシーさを感じ、度数よりややしっかりとした印象。麦芽の甘み、バニラ、麦チョコ。濡れた樽感。

余韻:

穏やかにドライでスパイシー。麦チョコとアマレットの甘さを引き継ぐ。

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