グレンロセス 1980 – 2015, 34年 44.5% SMWS 30.84 “To sit by the samovar”

グラスから立ち昇る香味の囁きには、耳を澄ませる価値がある。抜栓直後は香味の開きが固く、数日で大きく変化する。

GLENROTHES 1980-2015, 34Y. 44.5% SMWS 30.84

“To sit by the samovar”

Refill Bourbon Hogshead.

213 bottles.


評価:★★★☆ Recommend!

CP:☆☆☆☆

価格:★★★


香り:

香り立ちは非常に繊細に始まり、長い時間をかけてゆっくりと開く。穏やかだが熟成感のある複雑な麦芽香。そこに蜂蜜とメープルシロップ。微かにベリージャム、更に微かにハーブ、バニラ、花の蜜。樽感はプレーンで、僅かに乾いたウッディネス。しばらく置くと林檎、バナナ、タルト生地。少しずつ複雑さが現れてくる。

味わい:

度数よりもしっかりとした口当たり。生姜を思わせる穏やかなドライさと、乾いた木材の弱い収斂。麦芽の甘さと熟成感が強くなり、煮出した茶葉、僅かにオイリーさもある。複雑で滋味深い。そのまま余韻へと移行するが、ボディは保たれている。

余韻:

味わいから継ぎ目なく移行する中で、蜂蜜、花の蜜の甘さが再び現れ、複雑さへと還っていく印象。穏やかなドライさと僅かなオイリーさを引き継いで終わる。余韻の長さは中程度で、じんわりと持続する。


2015年7月リリースのSMWSから『サモワールを囲んだ楽しいひととき

世界的に最も知られた会員制ウイスキー組織であるSMWS(The Scotch Malt Whisky Society、通称ソサエティ)から2015年7月にリリースされたグレンロセス。リフィルバーボンホグスヘッドの34年熟成で、タイトルは『”To sit by the samovar”(サモワールを囲んだ楽しいひととき)』です。

サモワールとは、ロシアやその他のスラブ諸国、イラン、トルコなどで湯を沸かすために伝統的に使用されてきた金属製の容器のことで、簡単に言うと「ティーポットを保温する機能のある給湯器」です。日本ではあまり馴染みがありせんが、東欧では電熱式も市販されているそうです。(下の2つの画像はWikipediaより転載)


一つ一つの香味の声は囁くように小さいが、耳を傾ける価値がある。

香り立ちは一貫して穏やかであり、はっきりと個性を主張するタイプではありません。基本的に繊細なウイスキーだと思います。リフィルホグスヘッドによる樽感はプレーンで、度数はあまり高くありませんがドライな印象もあります。

しかし時間をかけて付き合えば、その繊細さの中に複雑さと多彩さを内包していることに気付くことが出来るでしょう。


樽感に頼らない、熟成が生み出した繊細な複雑さ

このボトルの秀逸なところは、時間の生み出す複雑さと形容したくなるような、樽感に頼らない、熟成感が織り成す繊細で複雑な香味バランスです。これは好きな人には堪らないものだと思います。ちなみに私は大好きです。

このボトルの特徴を端的に述べるのであれば、「プレーンな樽感、ややドライ、熟成感の織り成す繊細な複雑さ」となるかと思います。

言葉を尽くすよりもざっくり伝えたほうが伝わる気がするので言ってしまいますが、しみじみしつつも、非常に美味しいボトルです。


抜栓直後は非常に固く、ドライさばかりが目立つ。数日は置きながら、香味変化を見よう。

注意すべき点として、このボトルは抜栓直後はかなり固いです。

そもそも大人しい香味が輪をかけて大人しくなっているため、ドライさばかりが目立ちます。

しかし数日置くだけで驚くほど香味が開きますので、時間をかけながら様子を見ると良いのと思います。

香味変化の幅が大きいので、もしバーで見つけたら日を変えて数回オーダーしてみると良いかも知れません。もしくは自宅などで一人じっくりと向き合って飲むのに相応しいボトルです。

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