エロい。抱きたい。そして凄い香味バランス。ハマったら抜けられないかも。
Bunnahabhain 1974-2014 40Y. 44.7% 10th Anniversary Shinanoya Private Bottling
評価:★ ★ ★ ★ Recommend!
CP:☆ ☆ ☆
価格:★ ★ ★ ★ ★
香り:
しっかりとした香り立ち。熟して落ちる一歩手前の、とろけるような果実香。林檎ジャム、アプリコットジャム、蜂蜜、メープルシロップ、洋梨ジャム。残り香のようなフローラル(人によってはパフューム)、仄かに溶剤。甘さが先行した後に、ゆっくりとコクのあるウッディネス。まさに渾然一体としている。
味わい:
滑らかだが、かなり濃厚な口当たり。ブランデーのような印象すらある。ウッディネスが強くなり、アクセントとしての僅かな生木のニュアンスと僅かなエグミ。再びフルーツジャム。ボディは非常に厚い。
余韻:
ジャム感のあるフルーツとウッディネスを引き継ぎ、樽由来の収斂を残しながら長く伸びる。
2017年は信濃屋がプライベートボトリングのリリースを始めて10年目となる記念の年であり、年間を通じて特別なボトルが10種類リリースされました。
その中で9種類目のリリースに当たるボトルが、このブナハーブン40年です。1974年蒸留、2014年ボトリングで、ボトリング本数は52本とかなり僅少でした。
ボトリングが2017年でないのは、この10周年のために数年に及ぶ入念な準備をしてきた中で、ひっそりとリリースの時を待っていたボトルだったからだそうです。
このボトルは先日、池袋にあるジェイズバーさんでいただいた一杯です。今回以外でも、昨年末から都内のいくつかのバーで飲む機会に恵まれていました。
味わいは一言、とてもエロいです。文句なしです。僕は完全にハマりました。
若干のフローラル(人によってはパフューム)、やや過熟な要素のあるこってりとしたウッディネスなど、苦手な人から見れば一見ネガティヴに捉えられそうな要素ですら、このボトルが持つ総体としての香味を作り上げるために無くてはならないピースの一つであり、基調となる濃密なフルーツ香を引き立てるエッセンスとして作用しているように感じられます。
これだけ多彩な香味が同居しながら、渾然一体としつつ一つの味わいとして成立している様は圧巻で、まさに清濁併せ呑むかのような物凄い香味バランスだと思います。
キラキラとしているのに濃密で、しっとりとしているのに鮮烈な、まさに入念に選ばれた、特別なボトルと呼ぶに相応しい仕上がりの一本だと思いました。
かなり少ない本数でのリリースだったため、さすがに入手は叶いませんでしたが、こうして何度か飲む機会に恵まれたことを素直に感謝したいと思います。
それでもまたいつかお会いしたいですね。
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