現行ボトルにはない、奥深いピート感が素晴らしい。この味わいを求める飲み手は多いと思う。

LAPHROAIG 10Y. Original Cask Strength 55.7% (Red Stripe)


評価:★ ★ ★ ☆ Recommend!

CP:NR

価格:NR


香り:

しっかりとした香り立ち。ピート香にはヨードの効いていて、どっしりと重く、焼いた土を思わせるニュアンスがある。その奥からは切りたてのオレンジを思わせる甘い柑橘香が現れる。合わせて切りたてのピンクグレープフルーツと、その皮とワタ。オレンジマーマレード、更に出汁感、麦芽香。(ややひねた香味があるが、これは状態差による)

味わい:

度数を感じさせない滑らかな口当たり。ボディは厚く、コンテンツ豊富な印象。香りで感じられた要素が渾然一体となる。ピートと甘さが混ざり合う。

余韻:

余韻は長く、ウェット。香りからの要素を引き継ぎ、ピートと麦芽の甘さが絡み合いながら、最後に胡椒のスパイス。


2000年代初頭のラフロイグ10年カスクストレングス。ラフロイグが年代ごとに味わいが変わっていることを如実に体感出来るボトルかなと思います。その中でも今のところ比較的入手しやすい部類のボトルです。他が高過ぎてレア過ぎるというせいもありますが。


現行のラフロイグの魅力は柑橘を思わせるフルーティーさが立っているところですが、グレープフルーツやレモンのようなやや酸味の強い柑橘のニュアンスを感じることが多く、オレンジのような甘さはあまり感じられないことが多いです。ピートの質も変化していて、ヨードというより灰やベーコンを思わせる印象が強いですが、このラフロイグはヨードをしっかりと感じさせるピートの奥から迫り上がるようにオレンジを思わせる甘い柑橘香が漂ってきます。


現行よりもフルーツ香が厚く、酸味に寄り過ぎないところが好ましい特徴の一つだと思います。

このあたりは好みの問題でもあり、現行ボトルには現行ボトルの良さがありますが、私としては柑橘にオレンジやオレンジマーマレードを感じることが出来るこうしたラフロイグが好みです。


これより更に古いもの(例えばunblended表記のボトル)には、更に奥深いフルーツ香があったりするのですが、このボトルはその片鱗を感じることが出来るボトルとしては最後発なのかも知れません。


美味しいことは割と知られてしまっており、今ではオークションなどでも結構な高値が付いてしまっていますが、元の価格はそんなに高くないため、探して飲んでみる価値はあると思います。

というわけで、本日無事に飲み切りました。