シングルモルトの王道を行く味わいの、スペイサイドの佳酒。あまり知られていないが、飲んだらきっと好きになる。
評価:良い。( ★ ★ ★ )Recommend!
CP:とても良い。( ☆ ☆ ☆ ☆ )
価格:良い。( ¥ )
香り:
穏やかな香り立ち。香ばしい麦芽香、焦がし砂糖、ナッツ、キャラメル、オレンジマーマレード、一筋の煙。奥から林檎、洋梨、うっすらと杏子。穏やかながら綺麗にまとまっていて、要素に過不足がない。
味わい:
度数よりもややしっかりとした口当たり。麦芽の甘さ、バニラやキャラメルの甘さに加え、樽の内側を焦がしたようなビターさ。僅かに樽のエグ味を感じるが、気になるほどではない。ボディは軽めか中程度。
余韻:
余韻の長さは中程度で、麦芽の甘さと焦がし砂糖の甘さを引き継ぎ、ナッツや溶かしたバターのニュアンスが僅かに残る。
オフィシャルボトルのノッカンドゥ21年。おそらく現時点で一番新しいラベルデザインです。
ノッカンドゥはシングルモルトとしてはかなりマイナーな蒸留所で、ほとんどがブレンデッド・ウイスキーJ&Bの構成原酒として使われています。
現在オフィシャルからシングルモルトとして発売されているのは、12年、15年リッチマチュアード、18年スローマチュアード、21年マスターリザーブの4種類です。
オフィシャルボトルの全てに蒸留年が記載されているのは、ノッカンドゥの珍しい特徴でもあります。これは仕上がりに納得のいったものしかシングルモルトとして発売しないという、昔から続く方針の表れだそうです。
実のところ愛好家からの評価は一様に高い蒸留所です(個人的にも特に18年と21年は見所があると思っています)。
繊細かつ華やかな麦芽の香味とエステル香をストレートに感じられる、シングルモルトとしては非常にスタンダードな味わいのボトルです。スターターとしても最適な味わいだと思います。
加えてこの21年は、熟成感や樽感など、香味の奥深さや複雑さも一定以上に高いレベルでまとまっており、満足度の高い仕上がりになっていると思います。
価格もお手頃なので、飲んだことがなければ蒸留年に拘らず是非一度飲んでほしいボトルです。
12年は3000円代、21年でも1万円を下回る価格設定です。なかなかないよ?
デイリーユースとしても最適なボトルだと思います。
なんていうか、現行のマッカランを飲むのであれば、こっちを飲んだほうが絶対に幸せになれそうな、そんな予感はします。
マイナーというか地味というか、いずれにせよあまり知られていない故に、一般的には全く人気のない銘柄なので、足を使って地道に探せば、このボトルよりラベルデザインも蒸留年も古いボトルが、まだまだ見つかるんじゃないかと思います。
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 思いつくボトルとしては、オールドボトルのロイヤルロッホナガー・セレクテッドリザーヴ(シェリー香が非常に秀逸)、オールドボトルのホワイトホース・グレンエルギン(このボトルよりもエステル香が主体的)くらいで、現行のシングルモルトではノッカンドゥ21年(このボトルよりも麦芽香が主体的)でしょうか。 […]