シェリー、シェリー、シェリー。加水がお勧め。
香り:かなり濃厚。レーズン、葡萄、サルファリー、樽の焦げ感。
口当たり:かなり強烈。レーズンの奥から麦芽がほんのりと香るが、すぐにレーズンに戻る。
余韻:長い。余韻に黒土のようなピート。
加水:加水でベリーと黒糖が開き、麦芽の甘さもハッキリとしてくる。口当たりもスムースになり、ピートも開いてくるが、サルファリーな要素はまだ残る。
2013年、NHKドラマ「マッサン」が始まる前年という奇跡的なタイミングで余市マイウイスキー作りに当選した僕が、余市蒸留所を訪れた際のお土産として購入したボトルです。余市蒸留所もその時が初訪問でした。
今あらためて飲むと、シェリーカスクの樽感とサルファリーが強烈で、他の要素を拾うのに苦労するほどです。加水でバランスを崩すこともなく、今まで隠れていた要素も花開くのでお勧めかも知れません。サルファリーさは気になるかも知れませんが、時間をかければ楽しく飲めるウイスキーです。
僕は熟成年数表記のあった時代の余市オフィシャルボトルの、ヴァッテッド加水ならではのバランスと多層感が大好きでした。それらを作っていた原酒の一つ一つがここまで個性的な香味を持っていることにあらためて驚かされると同時に、ブレンダーの技と味覚に感謝と尊敬の念が湧いてきます。
熟成年数表記ボトルはどれも終売してしまったことは残念ですが、自分の詰めたマイウイスキーの熟成を待ちながら、余市蒸留所の原酒在庫の回復を祈ろうと思います。
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