珠玉の出来。
Glenfarclas 1989-2016 52.3% for Bar Main Malt & Bar Campbelltoun Loch
評価:★ ★ ★ ★ Recommend!
CP:☆ ☆ ☆
価格:★ ★ ★ ☆
香り:
しっかりとした香り立ち。シェリーカスク由来の芳醇で複雑な甘さが広がる。チョコレート、ブラックベリー、ザラメ糖、干し葡萄、黒糖、煮詰めた葡萄ジャム。渾然一体としている。奥からほんのりと優しい麦芽香。穏やかなウッディネス。
味わい:
しっかりとした口当たり。口に含んだ瞬間からチョコレートと葡萄ジャムの甘さには心地よい収斂が加わり、続いて麦芽の甘さが顔を出す。
余韻:
香りと味わいを共に引き継ぎ、リッチで長い。開けたての缶入りココアパウダー。カカオとチョコレートにある幸福感がここにもある。僅かに土っぽさ、なめした皮を感じる。
2016年にリリースされた1989年蒸溜のグレンファークラス。神戸三ノ宮のBar Main Maltさんと東京有楽町のBar Campbelltoun Lochさんとのコラボボトルです。昨年末から今年にかけて飲み手の間で大きな話題となったボトルで、既に幾つかのウイスキーブログでも取り上げられていると思います。
もともとは会員制ウイスキー愛好家団体The Whisky Hoop(TWH)向けとして予定されていたそうで、現地買い付けでテイスティングした段階で既に群を抜いて素晴らしい一樽だったそうです。
TWHの会員数は全国約200名程度。一樽から500本以上取れるシェリーバットでは余剰在庫の懸念もある中で、それでもこの素晴らしい一樽はどうにかそのまま日本に輸入したいという情熱を実現するため、それならばと関係のある上記二店舗のコラボボトルとして一般流通にも乗せつつ発売しよういうことになったというお話を伺いました。そのためボトルにTWHの名前は記載されていません。
飲んだ全員が納得せざるを得ない出来栄えというのは決して言い過ぎではなく、コアな飲み手を中心にその味わいの素晴らしさは瞬く間に広がり、年を跨ぐことなくTWHからも在庫がなくなりました。
以下はこのブログとは別のブログからの引用になりますが、「近年シェリーの味わいを感じながらも熟成感のある昔のシェリーカスクのようなニュアンスも感じられ、それらが濃厚なのに支配的ではない」という言葉は、このウイスキーの全体の構成を的確に表現していると思います。
まさに珠玉の出来栄えです。年が明けて成人式を含む連休も終わり、そろそろ様々なバーでも初日営業が始まってきていると思いますので、なくなる前に是非一度は試してほしい、心からお勧めできるボトルです。
コメント
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[…] いちマニアとして比較するのであれば、同じく1989年蒸留のTWH×メインモルト向けのグレンファークラスと比べてどうかというところが(マニア的に)最大の関心事かも知れないと思うので、とりあえずそれも踏まえつつ、このボトルの特徴を記していきたいと思います。 […]