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2020年は本当に特殊な一年でした。
今年も今日でおしまいです!!毎年恒例の振り返り記事です。
今年は500種類以上の新しいウイスキーを飲んだ模様です!(最初520杯以上と言いましたが、被った写真やウイスキー以外を除いて数え直したらかなり減ったよ!さーせんした!)
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2021年も500種類を目標に頑張りたいですね!
そんなわけで、今年も毎年恒例、「個人的に記憶に残ったウイスキー他」に参りましょう!
大型リリースが年末に偏りすぎ!個人的に記憶に残ったウイスキー4選
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今年はとにかく大型リリースが年末に集中しましたよね…。マジで死ぬかと思いましたよ。
そして、今年はそもそも良リリースが多かった印象です。
三郎丸 "0" THE FOOL 48%
— Drinkers Lounge | ドリンカーズラウンジ (@DrinkersLounge) November 17, 2020
The Firstだと考えると素晴らしい出来だと言っていいと思う。ヘビリーピーテッドなのは大正解でカスクVerを飲んでないけど加水なのも大正解では。未熟な要素は全くなく、熟成年数に比して甘くしっかりと出た樽感はまさにジャパニーズのそれ。もはや本命馬ですね。
★★★R! pic.twitter.com/ubgmiDbMNH
国内蒸留所では富山県の三郎丸蒸留所のファーストリリース THE FOOL 0には驚きましたし、国内ボトラーズではニンフシリーズを立て続けにリリースした同じく富山県のT&T TOYAMAのポテンシャルの高さ(アードベッグ最高)が光りましたが、あらゆるところでネタ的にこすられすぎだと思うので今回は敢えて選びません。
では、年内の錚々たるリリースの中から、特に記憶に残ったウイスキーをいくつか紹介していきたいと思います!
① リリースしてえらい!!モルトヤマのグレントファース!!
グレントファース 1993-2020, 27Y. 55.4% GM for Moltoyama 7th Anniv.
— Drinkers Lounge | ドリンカーズラウンジ (@DrinkersLounge) October 30, 2020
最初固かったのでグラスに注いで他を数杯飲んでから。芳醇で渾然一体とした熟成香もさることながらこんなにオールドシェリー感があるとは思わなかった…この味わいの懐の深さよ…下野さんは本当にモルトを愛してる。
★★★★R! pic.twitter.com/Y70MVwRM9G
これはもう、紹介されるべくして紹介されるボトルです。このボトルは僕の中で今年のNo.1リリースです。
冒頭で富山県関連のボトルをあえて除外したのは、除外しないとほとんど富山県関連のボトル紹介になりそうだったからだったりします。
これをリリースしたモルトヤマの下野氏は本当に偉いというか、もうね、さすが。僕自身現行リリースを追うドリンカーとして、こうしたボトルをリアルタイムに飲むことができたのは本当に幸せでした。
本当に良い。ウイスキーに対する彼の真摯さが伝わってくる。ありがとう。
— Drinkers Lounge | ドリンカーズラウンジ (@DrinkersLounge) November 14, 2020
自分の信じるものを他者に問うって勇気のいることだと思うけど彼はそれを成し続けて今に至ってる。そういうのをきちんとやってる人が沢山いるからウイスキー界隈は最高に面白い。俺も28日のテイスティング会はマジで頑張ろ。 pic.twitter.com/cYdKuLN4Hd
純粋に美味しいのはもちろん、古酒感を伴いつつ現行の良い部分も併せ持ったシェリー香、熟成感、麦芽感ともに高いレベルで一体感を持っていて、忙しさにかまけて12/31現在に至ってもブログ記事にできていないことが心から悔やまれます。これは年明け早々にブログ記事にしたいと思っています。
売れ方も素晴らしかったと思います。リリース後にバーで飲んだ人が次々に購入したというのは、下野氏が選んだこのボトルは味わいはもちろん選んだ意味まで今のドリンカーにしっかりと伝わったということの表れだったのではないでしょうか。
今後もこういうボトルを定期的にリリースしてもらえたら嬉しいです。
② 祝10年!!!イチローズモルト秩父ファーストTEN!!!
イチローズモルト秩父 The First Ten 10Y. 50.5%
— Drinkers Lounge | ドリンカーズラウンジ (@DrinkersLounge) November 8, 2020
本当にラストショットでした。あぶねぇ。めでたくリリースな秩父10年は奇を衒わない美しい酒質で蜂蜜、ヘーゼルナッツ、秩父香しっかり。ボディも厚い。培ってきた知見と技術を抜かりなく配置した現時点の集大成で新しい始まり。目頭が熱い
★★★☆R! pic.twitter.com/xuwyyKirkn
2020年はジャパニーズウイスキーの新興蒸留所のファーストボトルが相次いでリリースされた記念すべき年であると同時に、秩父蒸留所から初の10年ものがリリースされた年でもあります。
秩父10年は、ジャパニーズウイスキーの新しい夜明けを先駆けるボトルだと言っても過言ではありません。10年という歳月を超えて、遂に秩父がここまできたのです。
個性を明確に残しながら、積み重ねてきた知見と技術を用いて今できる最高の10年ものを作るという情熱、もはや情念といってもいいのかも知れませんが、まさにそういうボトルでした。猛烈に記憶に刻み付けられています。
秩父10年はおそらく今後も発売されると考えていますが、同時にしばらくは限定生産が続くだろうとも考えています。限定ではなくなる日がもし来るとしたら第二蒸留所の稼働が安定してからだと予測されるので、だいたい十数年後なのかなあ…。
ジャパニーズウイスキー市場における新しいオフィシャルスタンダードの産声を聞けたのは心震える瞬間でした。ここを新しいスタートとして、秩父蒸留所はますます世界に羽ばたいていくのだろうと思います。
③ 今年飲んだボトルで一番美味しいのはこれ!モートラック1936、35年!
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これは個人宅でいただいたもので、Twitterにも上げておらず、ブログ記事にもしていないボトルではあるのですが、今年飲んだボトルの中で味わいとして一番刺さったボトルでした。
めっっっっちゃ美味しかったです。
★★★★★です。以上です。
年に1種類はこうしたボトルに出会えているのは本当に幸せなことです。
④ 2020年の国内ウイスキー市場最大級のインパクト!Kyoto Fine Wine & Spirits。
アードベッグ 1998-2020, 22Y. 56.5% Benjamin Tan's Pritate Collection@KyotoFine さんの。グラスに注いでから物凄く時間のかかるお酒ですがその価値ありです。土、革製品、塩素感、奥から立ち現れるベリージャム。一体感と立体感が凄い。瓶詰めされたばかりのはずなのに古酒のよう。
— Drinkers Lounge | ドリンカーズラウンジ (@DrinkersLounge) December 30, 2020
★★★★☆ pic.twitter.com/GxVkLaKpQN
ジュラ 1998-2020, 22Y. 45.9% KFW&S
— Drinkers Lounge | ドリンカーズラウンジ (@DrinkersLounge) December 19, 2020
超人気ボトルのジュラ。線が細く上品でフローラルな香り立ちから始まり、ほんのりと瓜やメロンの皮、バニラ、オークの穏やかな収斂。熟成感は感じにくい香味構成にも関わらず奥からゆっくりと麦芽の熟成感が上がってくるところは見事です。
★★★☆R! pic.twitter.com/fJA82EuTpE
ドリンカー主体で始まり、素晴らしいボトルをリリースし続けている国内ウイスキーボトラーの急先鋒が、Kyoto Fine Wine & Spiritsです。
リリースするボトル全てがウイスキードリンカーの間で話題になったのではないでしょうか。
極め付けは何と言っても、年末にリリースした国内初であるアードベッグのオフィシャルボトルのシングルカスクでしょう。海外コレクターとの共同でこうした特別なシングルモルトをリリースできるのは、日本国内だとここだけなのかも知れません。
2021年以降も要チェックだと思います。
2020年はウイスキー業界全体にとって、どういう年だったか
今なお続くcovid-19の世界的流行は、メーカー、酒販店、バー、ドリンカーにも大きな影響を及ぼした。
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2020年はジャパニーズウイスキーにとって重要な年になりました。厚岸、安積、三郎丸、静岡、津貫という国内ウイスキー蒸留所で蒸留された原酒が正式に三年の熟成期間を終え、ファーストボトルが相次いでリリースされたことは喜ばしいニュースだと思います。
ただ2020年という年を特徴づけたのが東京オリンピックでもなければ新興ジャパニーズ蒸留所を巻き込んだ国内ウイスキーツーリズムの隆興でもなく、今も世界的な感染の拡大が続く新型コロナウィルスcovid-19であることは本当に残念です。ワクチンが開発されたとはいえパンデミックは止まることなく、来年以降も余談を許さない状況は続く見込みです。
covid-19の影響については振り返りではなく今まさに現在進行形で起こっていることなので、文章に過去形を使うことも適切ではないのかも知れません。医療業界も大変でしたが、バーを始めとした飲食業界(あと旅行業界やエンタメ業界も)は緊急事態宣言やソーシャルディスタンスという概念の浸透による個人レベルでの外出自粛の影響を今も直に受けています。
ドリンカー目線で見ても、こうした外出自粛ムードの影響は少なくありませんでした。5月4日に東京で緊急事態宣言が初めて発令された際は、バーに行きたくても行けない状況、そもそもバーに行くべきかどうかということでも意見が割れたのを覚えています。「自粛警察」という言葉も生まれました。
バーを始め飲食店側も「来てほしい」と大きな声では言えず、再三に渡る自粛要請、時短営業要請という厳しい状況の中、感染対策の徹底はもちろん、小瓶販売、テイクアウトの実施、営業開始時間を昼からに切り替えるなど、様々な対応を余儀なくされている印象でした。
東京オリンピックの開催も中止となり、全国各地で予定されていたウイスキーフェスも全て開催中止となりました。
緊急事態宣言の発令と解除の中、年末に向けて少しずつバーに行く人は増えたかも知れませんし、僕もそうした人間の一人です。しかし飲食を伴う場所での感染拡大が大きく取り沙汰される中、飲食店側の置かれる厳しい状況は当面は続くだろうと思われます。
ドリラジ個人にとって、2020年はどういう年だったか
ドリシェアの活動に全力を注ぎました。
個人的に最も重要な転機だったのは、以前構想した「ウイスキー愛好家同士のコレクション交換をより広く円滑にし、新しい愛好家を増やすことで国内ウイスキー需要を底上げする」という熱意のもと「ドリシェア」というプロジェクトに実際に着手したことです。
学ばなければならないことや気づきは多く、忙しくも刺激的で、気が付けばあっという間の一年でした。参加していただいているメンバーの皆さんとは毎週オンライン飲み会を開催したりしています。ただブログの更新頻度が大幅に減ってしまったことは反省です。
乗り越えるべき課題はまだ多く、正式なローンチはもう少し先になりますが、ドリンカー・コレクターサイドからも国内ウイスキー市場の拡大に貢献できる仕組みを作るべく熱意をもって取り組んでいきたいと思います。
来年からは発信できる情報はできる限りマメに発信していきたいと思います。
オンライン先行テイスティング会を精力的に開催しました。
昨年以来2020年も複数回の開催が予定されていた自分主催の持ち寄り会は、covid-19の影響で全て中止せざるを得ませんでした。
そのかわり株式会社ラダーの北梶さん、T&T Toyamaの稲垣さん、下野さんらと、バーを会場としてニューボトルのオンライン先行テイスティング会を複数回行う機会に恵まれました。こうした活動を通してウイスキーを取り巻く業界の様々な知見を得ることができたことは非常に有益でした。
やってみてわかりましたが、オンライン先行テイスティング会はやり方次第でドリンカー、バー、酒販店、メーカー、蒸留所などを一気につなぐ可能性のある新しい試みです。
今後も知見を貯めて、できる限り開催に向けて多方面に働きかけていきたいと思います。
レコメンターのプロフェッショナルテイスターに選出されました。
加えて、フレーバーからウイスキーを検索できる新しいアプリケーション「レコメンター」のプロフェッショナルテイスターに選んでいただきました。このブログを継続していくことに加えて、レコメンターを通してもウイスキーそのものの魅力とウイスキーを飲むことの楽しさを発信していきたいと思っています。
https://www.bar-times.com/contents/82713/
本当にいろいろなことがあった2020年だったと思います。
年末毎年恒例の新規ボトル抜栓も、今年はできませんでした(それどころではなかった)。
来年はリベンジですね。
そんなわけで、今年一年ドリンカーズラウンジのブログを読んでいただき本当にありがとうございます。
来年もよろしくお願いいたします。
それでは皆さん、よいお年をお迎えください。
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