スコッチにはない独特の香りが興味深い。
UNITING NATION 50.0%
評価:★★☆
CP:NR
価格:NR(当時価格:★)
ボトル紹介
肥土伊知郎氏作、日英友好150周年記念ボトル第2弾
日英友好150周年を記念して2008年にベンチャーウイスキー社からリリースされたブレンデッドモルトウイスキー、ユナイティングネイション。その2ndリリースです。ブレンダーはもちろん肥土伊知郎氏で、英国大使館などが主催したUK-Japan2008公認ウイスキーだったそうです。
ブレンディングに使われた原酒は公開されておらず、公式の案内には「日本とスコットランドのシングルモルトを数種ヴァッティングしたもので、イチローズモルトの羽生蒸溜所は勿論、
複数の日本の蒸溜所のモルトが含まれており、メーカーの垣根を越えた稀有なウイスキーである」と書かれています。国内蒸溜所の各原酒をブレンド…誰もが夢見ながら企業の垣根なのか文化なのか未だに実現していなかったものが実現したという物凄い内容がしれっと書かれているわけなのですが、ただ、池袋ジェイズバーの蓮村さんが肥土伊知郎氏に以前伺ったという話を僕が又聞きしたところ、羽生原酒とベンリアックのヴァッテッドらしいという話を聞いた気がするとのことで、実際のところはよく分かりません。いずれにせよ、羽生原酒が使われていることだけは間違いなさそうです。
造りとしてはブレンド後にシェリー樽(1stフィル・ペドロヒメネスシェリーカスク)で5ヶ月間後熟をかけていて、ボトリング本数は約1000本程度だったようです。
テイスティング
スコッチでは現れない香味が非常に興味深い。
飲むと原酒の若さから来るであろう荒さがやや目立つのは否めませんが、香りはスコッチウイスキーでは見られないもので、興味深いです。
ブレンデッドモルトらしく多層的な複雑さを持ち、マリッジとして使われたPXシェリーカスクの個性が出ています。その後しばらくして、僕は醤油を塗りながら焼いた煎餅のような印象を受けました。これは羽生原酒の個性と樽由来の香味が重なったからなのでしょうか。
人によってはこの部分に価値を見出すかも知れません。
他の飲み手のテイスティングノートとしては、くりりん氏のものが参考になると思います(http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1054189746.html)。
氏のブログにあるサルファリーさはおそらく経年で抜けたものと思われ、僕が飲んだものでは特に目立つものではなくなっていると思いました。このあたりはボトルの状態差もあるので一概には言えないのですが。
テイスティングノート
香り:
穏やかな香り立ち。僅かな焦げ感を伴いながらレーズン、濡れた印象のウッディネス、奥からクリーミーで甘い麦芽の香り、林檎、紅茶。そこからゆっくりときな粉のニュアンス、醤油を塗りながら焼く煎餅ような印象の香ばしい香り。
味わい:
度数よりもやや優しい口当たり。やや原酒の若さが目立ってくる。やや荒さのある麦芽の甘み、メープルシロップ、クローブのスパイス感と若干のニガリ。ボディは中程度。
余韻:
味わいにある甘さを引き継ぎ、そこからスパイス感。僅かにオイリーな口残り。
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