ヘーゼルバーン 8年(1999 – 2008) 46% オフィシャルボトル

3回蒸留に負けないミネラリーな潮気。ボディは軽め。

HAZELBURN 8Y. 46% OB

distilled 1999

bottled 2008

6000 bottles.


評価:★★☆

CP:☆☆☆

価格:★


ボトル紹介

目次

3回蒸留、ノンピートが特徴。スプリングバンク蒸留所第3のシングルモルト。

スコットランドのキャンベルタウン地区にあるスプリングバンク蒸留所は、蒸留所名にもなっている2.5回蒸留でライトピートのスプリングバンク、ヘビーピートのロングロウ、3回蒸留でノンピートのヘーゼルバーンと、3種類のコンセプトの異なるシングルモルトをリリースしています。

今回のボトルはヘーゼルバーン8年オフィシャルボトルです。前述した通り、通常は2回蒸留が主流のスコッチシングルモルトの中では珍しい3回蒸留、加えてピートを焚かない麦芽を使用していることが特徴です。

このボトルを購入したのはかなり前ですが、表ラベル裏側に記載されているボトルコード08/207の記載により、2008年ボトリングであることが分かります。2008年ボトリングの原酒構成はバーボンカスク熟成原酒60%、シェリーカスク熟成原酒40%となっているようです。


テイスティング

全体的に穏やかな香味だが、ミネラリーな潮気は3回蒸留でも健在。

3回蒸留ですが、ローランドモルトのような穏やかなと華やかさとは異なるミネラリーな潮気が特徴的で、キャンベルタウンのシングルモルトとしての個性がしっかりと残っていると言えます。

香味の主体は潮気と穏やかに甘い麦芽の香味で、40%がシェリーカスク熟成原酒とのことですがシェリー感は強くありません。香りの後半にある鉄分とプルーンのニュアンスが僅かにそれを思わせる程度です。

ただ蒸留回数の差はボディの強さに表れていて、ピートの影響を抜きにしても同蒸留所のシングルモルトであるスプリングバンクやロングロウと比べてもボディは軽めです。個性でもある潮気にはニガリのようなニュアンスがあり、この部分はネガティブな要素として捉えられてしまうかも知れません。

味わいの総評としては、潮気が特徴ながらボディの軽めなキャンベルタウンモルトという印象です。自分の知っているヘーゼルバーンの味わいとしては標準的だと思っています。

他にブログ記事にしている人がいないか調べたところ、池袋ジェイズバーのモルト侍こと蓮村氏が2008年当時に書いた記事を発見しました。テイスティングノートではありせんが、それまでリリースされていたヘーゼルバーンと比べてちょっと重ためな印象で、味わいとしては当時のスプリングバンク近付いた印象があり、少々苦味が強いとのこと。リリース直後の味わいに想いを馳せることの出来る貴重な記事だと思います。(http://blog.livedoor.jp/malt_samurai/archives/50733213.html

最近のヘーゼルバーンの味わいはどうなのでしょうか?ここ最近でオフィシャルボトルの評価が高いスプリングバンク蒸留所のシングルモルトということもあり、2019年のスプリングバンク蒸留所のオープンデーを記念して限定リリースされた21年など最新の話題作も含めて、現行のボトルも飲んでみたいところです。


テイスティングノート

香り:

香り立ちは穏やかに始まり徐々に強くなる。明確な潮気が先行するが、しばらくして穏やかなオイリーさを伴う弱い麦芽の甘味に入れ替わる。弱いバニラ、林檎、微かな柑橘、奥から少しのプルーンと鉄分。

味わい:

ややしっかりとした口当たり。ミネラリーで少しニガリのニュアンスを伴いながら、麦芽の甘味、乾いたウッディネス、バニラ。ボディは軽め。

余韻:

弱いオイリーさを引き継ぎ、胡椒、生姜のスパイス感とドライさ、ミネラリーな潮気が穏やかに持続する。

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