タリスカー 10年 45.8% マップラベル

現行ボトルの18年以上にも通ずる複雑な麦芽の甘みに古酒感とスパイスが加わり、渾然一体としてくる。見事。

TALISKER 10Y. 45.8% OB

Map Label.


評価:★★★☆

CP:NR

価格:NR


ボトル紹介

目次

数世代前のタリスカーのオフィシャルスタンダード。

タリスカーのオフィシャルボトル、現行の3つ以上前のボトルに当たる、通称「マップラベル」と呼ばれているもので、これはそのミニチュアボトルです。容量は50ml。

たまたま友人からこのミニチュアボトルをトレードで譲ってもらえる機会に恵まれ、今回早速テイスティングさせていただきました。


テイスティング

濃密な麦芽感に複雑なスパイス。そこに古酒感を伴う渾然一体とした味わいが見事。

オールドボトルだからといって礼賛するわけではありませんが、これはやっぱり美味しいです。

今回のミニチュアボトルは状態が完璧だったというのもあるかも知れませんが、全くヒネることなく、しかも上手に経年変化したことが伺える古酒感も伴っていて、その点でも素晴らしいと思いました。

麦芽の熟成感はディアジオらしい味わいなのですが、現行の10年と比較しても未熟さが感じられず、しかも非常に濃密です。長期熟成の原酒の比率が高い印象です。タリスカーらしいスパイス感も勿論現在で、香りから余韻にかけて香味の展開が見事です。

最近のタリスカーのオフィシャルボトルでも、スペシャルリリースで出るような限定品(タリスカー8タリスカー15)はこのボトルにある味わいの系譜を受け継いでいると思うのですが、このボトルの発売当時はオフィシャルスタンダードでこの味わいが出ていたのかと思うと、素晴らしい時代だったんだなと素直に感じ入ってしまいます。

現行には現行の良さ、古酒には古酒の良さがあります。


テイスティングノート

香り:

濃密で複雑で、甘みのある香り立ち。穏やかなウッディネス、こなれたピートと甘いスパイス、麦芽の甘味。古酒感。そこからアプリコット、オレンジピール、バニラとカラメルソース。

味わい:

度数よりやや優しい印象の口当たり。胡椒を思わせるスパイス感にナツメグやシナモンを思わせる甘さが加わり、じんわりと口の中に広がる。溌剌とした麦芽の甘さに若い印象はなく、むしろ古酒感を伴って濃密。これらが絡み合い、渾然一体としながら、ゆっくりと余韻へと移行する。ボディは厚い。

余韻:

味わいの要素を引き継ぐが、樽と麦芽の甘さが徐々に生姜、胡椒、唐辛子などを少しずつ思わせる穏やかなスパイシーさとドライさへと変化する。最後にふんわりと麦芽の甘さ、少しのナッツ。見事。

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