ベンロマック 2003 – 2019、57.4% 蒸溜所限定カスク 17176501

寒い日の朝に飲むスパイスドコーヒー、傍にはドライフルーツとチリチョコレート

BENROMACH 2003-2019, 57.4% Distillery Exclusive

cask No. 17176501

cask type: 1st fill sherry hogshead

316 bottles.


評価:★★★

CP:☆☆☆

価格:★☆


ボトル紹介

目次

ベンロマック蒸留所限定シングルカスク

蒸溜所に直接行かないと手に入らない、貴重なシングルカスクのベンロマック。いわゆる蒸留所限定ボトルです。もちろんオフィシャルボトル、2003年熟成の15年または16年もので、ファーストフィルのシェリーホグスヘッド熟成です。

2019年にスコットランドへ蒸溜所見学に行ったシングルモルト愛好家の友人(くじらさんa.k.a. K67さん)にお願いして、現地で買ってきていただいたボトルです。

まずは受け渡しの済んだその場で抜栓し、買ってきてくれた方にも楽しんでもらいました。今回は自宅でのテイスティングです。


テイスティング

強い甘さとスパイス感が合わさり、スモーキーピートに焙煎したコーヒーのような印象が。

国内ではThe Whisky Hoop、キャンベルタウンロッホ20周年記念、信濃屋向けシングルカスクなど、ここ最近でベンロマックのシングルカスクは割と精力的にリリースされている印象があるのですが、ファーストフィルシェリーの影響をしっかりと受けたこのボトルはそうした国内リリースのボトルとは香味の方向性が幾分異なります。

短く表現するならSweet & Spicy、シェリーカスク由来のドライフルーツを思わせる甘さと、樽材由来のスパイシーさがはっきりと香味の主体になっていると思います。

シーズニングシェリーの甘さと共に、樽材に由来するであろうスパイス感がかなり旺盛に出ていて、そのせいなのか、ベンロマックのピート感(現行のベンロマックはスペイサイドモルトの中ではピートの効いているシングルモルトです)の中に、焙煎したコーヒーのようなニュアンスが感じられます。

実を言うと、僕個人の好みとしてはシェリーカスクで熟成したシングルモルトだとスパイス感があまり強くないほうが好きなのですが、このボトルは旺盛なスパイス感にも関わらず味わい全体のバランスは上手く取れていると感じました。

入手難度や好みの問題でRecommendは付けていませんが、良く出来た近年シェリーのベンロマックだと思います。

良いものをいただきました。ありがとうございます。


テイスティングノート

香り:

しっかりとした香り立ち。スパイスドコーヒーとドライフルーツ。リッチなシェリー香で、ブラックベリー、ラムレーズンっぽさのあるレーズン、クローブのような甘いスパイス、少しチリチョコレート。それらを焙煎したコーヒーのような印象のあるピートスモークが下支えする。麦芽の甘さはスパイスを伴いながら最後にゆっくりと上がってくる。

味わい:

度数相当のしっかりとした口当たり。味わいでも香りの印象を崩さず、レーズンの甘さとスパイシーさが少し強くなった後に麦芽の甘さが控えめに現れる。ボディは厚くリッチ。

余韻:

甘さを伴う複雑なスパイス感とほろ苦さ。クローブ、唐辛子、ジンジャー。余韻は比較的長い。


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