ラムカスクの薄化粧がいい感じに映えている。
ARDBEG DRUM 46% OB
評価:★★☆ Recommend!
CP:☆☆☆
価格:★☆
ボトル紹介
2019年のテーマはカーニバル!ラムカスクフィニッシュの限定ボトル
アードベッグ蒸留所はアイラフェスに合わせて蒸留所がオープンする日を「アードベッグデー」と名付けていて、その日はアイラ島だけでなく世界各地でちょっとしたパーティーが開催されるとともに、その年の限定ボトルがリリースされます。
2019年のボトルはバーボン樽原酒をラムカスクで追加熟成した「アードベッグドラム」です。ドラムといえばカーニバル、カーニバルの聖地といえばカリブ、カリブといえばラムというわけですね。
テイスティング
ラムカスク由来のフルーティーな甘さがほんのりと乗った良ボトル
毎年様々なイメージコンセプトでリリースされるアードベッグの限定ボトルですが、「今年のボトルは当たり」だと思う人は多そうです。
香りは穏やかですが、パイナップルやココナッツを思わせる特徴的なフルーツ香が感じられます。ラムカスクによる追加熟成の影響でしょうか。ミネラル感のあるヨードピートに支えられて、香りでも口当たりでも甘さが前面に出てきます。
追加熟成前の原酒はおそらくかなりプレーンだったのか、バーボンカスクの個性はほとんど感じられません。ピート香は強いですが酒質自体は近年のアードベッグらしいライトなものだと言えます。しかしこれらはどちらもラムカスク由来の甘さを活かすという点で上手く作用していると思います。そういう意味でアードベッグとラムカスクは相性が良いのかも知れないと思いました。アードベッグらしさも消えていません。
熟成年数表記はありませんが、口当たりや余韻のドライさから、熟成年数自体はおそらくスタンダード品である「アードベッグTEN」と然程変わらないか、少し短い印象を受けました。そのため熟成感に由来するような複雑さはありませんが、ラムカスクの薄化粧が原酒の顔立ちに良い感じに映えた、キャッチーなボトルだと思いました。
例えるなら、もともと薄い顔立ちだけどメイクと加工で良い感じの自撮り写真が撮れたというか、でも「メイクと加工までが自撮り」なわけなので、そういった写真はみんな可愛いと思うわけですし、もちろん僕も可愛いと思うというか。ちなみにこれは褒めてます。分かりやすく、万人受けするタイプの味わいです。ちなみにこれも褒めてます。もっと分かりやすく言うのであれば、「これでいい」ってことです。
テイスティングノート
香り:
穏やかな香り立ち。甘く、パイナップルやココナッツを思わせるフルーツ香。ミネラル感のあるヨードピート、やや若さのある麦芽の甘み。
味わい:
口当たりは優しい。パイナップル、シロップの甘さが強くなる。ライトボディ。ピートにマスクされて香りほど原酒の若さが目立たない。
余韻:
甘さを引き継ぎ、ドライさと生姜や唐辛子のスパイシーさで終わる。
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