普及品ブレンデッドと考えれば及第点。欲を言わせてもらえるなら、もう少し個性がほしい。
HHAE Mars Blended Whisky By Minami-no-Kaze
評価:★★
CP:☆☆☆
価格:☆
香り:
穏やかな香り立ち。原酒の若さが残り、全体的に荒削りな印象。香ばしい穀物感、ややアルコールの刺激、黒糖、柔らかいウッディネス、仄かなスパイス。少し遅れてオレンジ、べっこう飴。穏やかにスモーキー。
味わい:
度数相当の柔らかい口当たり。香ばしい麦芽香と穀物香。優しい味わいだが、原酒の若さからくる荒削りな印象はそのまま。ややアルコール感が立ち、ザラつきがある。ボディは軽く、そのまま余韻へと繋がる。
余韻:
余韻は長くない。グレーンウイスキーの穀物感を引き継ぎ、少しザラつきを残す。
津貫蒸溜所開設記念ウイスキー
2016年11月、鹿児島にマルス津貫蒸溜所が開設したことを記念して発売されたブレンデッドウイスキー。一応、鹿児島県内限定品です。
ブレンデッドウイスキーとしては及第点。
ブラックニッカ、ホワイトホース、デュワーズなどの普及品ブレンデッドウイスキーと勝負するウイスキーだとすれば、よく出来ていると思います。
他の普及品ブレンデッド同様、原酒の若さは隠しきれていませんし、そこに由来する荒削りな印象はどうしても付きまといます。度数は40%と穏やかで味わい自体は飲み心地を優先した仕上がりですが、グレーンウイスキーの穀物感やアルコール感はどうしても目立ちます。
ただ、香味のバランスはかなり頑張っている印象で、スモーキーなピートも香味に幅を持たせています。価格ベースで考えるならそれほど悪くない仕上がりのボトルだと思います。
出来ればもう少し個性があれば
蒸留所が設立したばかりの現時点では酷な要求なのかも知れませんが、欲を言わせてもらえるならばもう少し津貫らしい個性がほしいところです。
とは言っても、設立3年で原酒の個性が定まるわけもないことは十分理解しています。
むしろ、そうした原酒制約の中で他の普及品ブレンデッドと比べて味わいの点で特に遅れをとっている印象がないのは称賛すべき部分でしょう。
実際のところ、このボトルに津貫の原酒を使っているかどうかまでは知らないんですけども。
津貫蒸溜所はまだ開設したばかり。2019年末に最初の原酒がやっと3年を迎えるくらい新しい蒸溜所です。
しかし毎年のリリースを見てきた印象では、原酒の品質は年々向上していると思っています。
津貫はジャパニーズの新興蒸留所としては個人的に注目しているところの一つで、乱立気味のジャパニーズ新興蒸留所の中でも今後生き残る可能性がとても高い蒸留所だと思っています。
そのため、まだ先の話になるかも知れませんが、今後原酒の質が更に向上し、シングルモルトだけでなくこのようなブレンデッドウイスキーの味わいにも津貫らしい個性が出るようになってくれたら最高だなと思っています。
応援していますので頑張ってください!!
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