前途を祝して!クラブ発足記念、手間のかかった大盤振る舞いボトル
WOLFBURN 2014 – 2018, 4Y. 46.9% KYLVER REMNANT for THE BRAVES JAPAN
Matured in EX-Bourbon Barrel & Sherry Hogshead,
Kylver 3 remnant cask finish.
288 bottles only.
評価:★★☆
CP:☆☆☆
価格:★
テイスティングノート
香り:
穏やかでクリーンな香り立ち。乳酸、酸味の強いフルーツとオーキーさ。ライムやレモンの果汁。樽香は支配的ではなく、穏やかなバニラやオークが奥から現れる印象。やや若さのある麦芽香。
味わい:
度数よりも優しい印象の口当たり。クリーンな印象は続くが、ややドライで若さのある麦芽の甘さ。樽香は僅かに伸び、キャラメル、オーク、バニラ。ボディはライト。
余韻:
クリーンで穏やかにオーキー。
ボトル紹介
THE BRAVES WHISKY CLUB JAPAN、開設
2019年初めにウルフバーン蒸溜所の会員制コミュニティクラブである『THE BRAVES WHISKY CLUB』の日本支部が発足しました。都内では2018年11月26日に一足早い発足記念パーティーも開催されています。
(会員ホームページ)スコッチモルト販売:THE BRAVES WHISKY CLUB JAPAN 会員受付
日本支部発足記念ボトル
今回紹介するウルフバーン・キルヴァー・レムナントは日本支部発足の記念ボトルです。ウルフバーンのラインナップの中では特別なラインにあたる「キルヴァー・シリーズ」として発売されました。
キルヴァー・シリーズとは
「キルヴァー・シリーズ」は、ウルフバーンのラインナップ中でも良質な樽のみを選んで(その中には試験的に様々なタイプの樽で熟成された原酒も含まれています)、小ロットでリリースされるコレクター向けスペシャルリミテッドリリースです。
現時点での最新リリースはキルヴァー3で、EXバーボンバレル熟成原酒とシェリー・ホグスヘッド熟成原酒をヴァッティングしたものです。
このボトルのスペック
今回のボトルは「キルヴァー3」の一部をキルヴァー3の熟成で既に使用したEXバーボン・バレルの空樽で再度1年間追熟するという作りをしています。
そのためシングルカスクですが追熟前の樽種が2種類書かれています。
樽種などの情報をきちんと公開するのはウルフバーン蒸溜所の特徴の一つで、こうした部分は飲み手にとっては嬉しいところです。
クラブの日本支部発足記念ボトルなので、発売は勿論日本限定です。
クリーンな酒質と穏やかな樽香。しかし味わいはまだ途上。
ウルフバーンは2013年に設立したばかりの若い蒸留所であり、現時点で酒質や個性について言えることは多くありません。
このボトルに限れば、クリーンな酒質に穏やかにバーボンバレルの樽感が乗る仕上がりです。
短熟ゆえの若さはどうしてもあり、香味の複雑さや熟成感を楽しむことは出来ませんが、酒質そのものは悪いと感じられず、現時点でのウルフバーンを知る意味では試してみる価値はあると思います。
作りを考えれば、実は価格設定は破格
このボトルのもとになっているキルヴァー3が20000円以上と高額であることを考えると、それを更に追熟させた「キルヴァー・レムナント」が10000円+税なのは破格中の破格です。
おそらくクラブ設立を祝った大盤振る舞いなのでしょう。
そういう意味で、おそらく二度と出ないタイプのボトルだと思います。
CPの評価が☆☆☆となっている理由には、この部分を加味しています。
いずれにせよコレクターズアイテム化は確実なボトルなので、入手しても将来的に損をするようなことはないでしょう。
ウルフバーンは今後の展開が楽しみな蒸留所の一つでもあり、前途を祝して乾杯したいと思います。
(参考)wired.jp:アナログであるということ:スコットランド最北端の「ウルフバーン蒸留所」からのメッセージ