全てが中途半端。お前は一体何がしたいんだ?
The MACALLAN Select Oak 40% (Travel Retail)
評価:★★
CP:☆☆
価格:☆
香り:
香り立ちは弱い。まず甘いが若さのある麦芽香、バニラ、バターを塗ったトースト。水で薄めた林檎ジュース、僅かなオレンジ。よく探すとほんのりとベリー感がある。全体としては乾いた印象のあるウッディネスだが、やや生木のニュアンスのあるウッディネスも後から上がってくる。混ぜた樽種の違いによるものだろう。
味わい:
優しい口当たりで度数相当。麦芽の甘みが主体で、そこにバニラやベリーを添える構成だが、若さを伴い、ややフェインティ。味わいは全体的にぼんやりとしている。熟成感はない。
余韻:
短く、バターと麦芽とウッディ。ややフェインティ。
1824コレクションの三男坊
1824コレクションの三男坊こと、緑のラベルのセレクトオークです。
どんなオーク(樽材とか樽種という意味)をどうセレクトしたのかは裏ラベルに書いてある通りで、アメリカンホワイトオークのオロロソシェリーカスクとバーボンカスク、シェリーでシーズニングしたヨーロピアンオークを使用しているとのことです。
とりあえずメジャーどころは全部使いました!って感じですね。
ちょっと古いボトルではあるものの、探せば今でも1000mlボトルが簡単に見つかるでしょう。1000mlボトルでだいたい6000-7000円かと思いますが、残っていれば700mlボトルが5000円以下で購入出来ます。
量多い!価格安い!ちょい古い!買いや!
いや、ちょっと待て。
今から私は、こいつが如何に出来の悪い三男であり、どこがどうダメなのかを懇切丁寧に解説するつもりなので、ポチるのはそれからでも遅くないと思いますよ?
一応前もってお伝えしておきますが、別に飲めないとか、美味しくないとか、そういうレベルじゃないんですよ?(確かに、美味しいよ!って胸を張って人に勧められるかと言われたら勧められませんけども。)
一体こいつの何がダメなのか?
とにかく中途半端なんですよこいつは。
何をしたくて作られたシングルモルトなのか全く分からないんですよ。
このボトルを飲んだ時の私の気持ちを、ちょっと昔の若者言葉で表現するならば「おこ」です。
そう、「おこ」なのですよ私は。この三男坊に対して。
複数の樽種を使っている意味を、香味から見出せない
まず、複数の樽種を使っているから香味が多層的か?と言われると、そんなことは全くありません。
香味は薄く、全体的にぼんやりとしていて、原酒には若いニュアンスも強く、使っている樽種の判別がどうとか、この香味はアメリカンオーク由来であっちはヨーロピアンオーク由来だとか、そういう話が出来ません。
確かにバニラや、ちょっとだけ感じるオレンジはバーボンカスク由来なのかも知れません。そしてほんのちょっとだけ感じるベリー感は、おそらくシーズニングシェリーカスク由来なのかも知れませんよ。
でも飲むと分かりますが、「だから何?(So what?)」という言葉が思わず口をついて出てくること請け合いです。
これがマッカランである意味を見出せない
この味わいなら、別にマッカランじゃなくてもいいんだ。もっと安いブレンデッドでいいんだよ…。何でマッカランでこれをやろうと思ったんだよ…。
麦芽感がマッカランぽいと言われれば、ぽさはあるけど
ぽさしかない。
飲み方に困る
水で割ると香味はさらに薄くなり、ハイボールにするとパンチが足りず、お湯で割ると若さが立ってきます。
最後の手段としてコーラで割ったとしますよ?
結果、ただのコークハイになります。
こいつである意味!意味が!
ないだろ!そこには!
マジでお前は何をしたいんだと、小一時間ばかり問い詰めたい
私の中では「何を伝えたいのかよく分からない味わいのシングルモルトください」という奇特過ぎる要望に、絶対確実に応えてくれるボトルとして、ほとんど不動と言っても良いポジションを確立しています。
ちょっと想像してもらっていいかな?
例えばさ、
幼い孫がさ、
なけなしのお小遣いでさ、
おじいちゃんにさ、
空港の免税店でこのボトルを買ってきてさ、
おじいちゃんの全然飲まない姿を見たときのさ、
孫の気持ちをさ、
ちょっと想像してみてもらっていいかな!!
悲しいだろ!!
「おこ」だろ!!
未成年はお酒を買えないとかそういう細かい話は抜きにしてさ!!
そんなわけで、飲んだことのない方は是非一度飲んでみていただき、感想を私に教えて下さい。
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