グレンファークラス 1987 – 2017, 30年 45.4% FINAL FANTASY 30周年記念ボトル 信濃屋 cask#3816

非常にキャッチー。雑味なく、とても美味しい。経年変化で香味展開はどうなるか?

GLENFARCLAS 1987-2017, 30Y. 45.4% cask#3816 Shinanoya for FINAL FANTASY 30th Anniversary.


評価:★ ★ ★ ☆

CP:☆ ☆ ☆

価格:★ ★ ★ ★


香り:

しっかりとした香り立ちで、特に甘みが強い。糖度の高い葡萄ジュースの果汁感が前面に出る。凝縮感のあるレーズン。樽感はしっかりとしているが、強過ぎない。かすかにミントのニュアンス、遅れてしっとりとしたウッディネス、葡萄の皮と茎。仄かに黒土。麦芽香は添える程度。

味わい:

甘く、優しい口当たり。ざらつきなく、甘い葡萄の果汁感、葡萄の皮、続いてクリアな麦芽の甘み。タンニンの収斂は弱い。ボディは中程度。クリアな印象。

余韻:

穏やかな余韻。引っ掛かりなく、果実の甘さが伸び、麦芽の甘みは添える程度に現れ、そのまますっと消える。


超大作RPG『ファイナルファンタジー』誕生30周年を記念して信濃屋からボトリングされた、オフィシャルシングルカスクのグレンファークラス。

1987年蒸留の2017年ボトリング、カスクナンバーは3816。同時期に同じく信濃屋から発売された『サイレンスバー30周年記念』のカスクナンバーは3813なので、これらは樽番号がほとんど違わないシスターカスクということになります。


味わいのバランスは非常に良く、尖った部分が感じられない、かなり完成度の高いボトルだと思いました。

シスターカスクであるサイレンスバー向けと比べても葡萄の果汁感が強く、度数はこちらのほうが僅かに高いにもかかわらず、口当たりはむしろ柔らかく感じられます。

このキャッチーさはおそらく多くの飲み手に受け入れられるもので、サイレンスバー向けと飲み比べてみてこちらが好みという人は多いのではないかという印象でした。私としては明確な甲乙はつけ難いというのが正直な感想ですが、今開けて飲むのならこちらのファイナルファンタジーのほうが僅かに好みです。


同時期に出た2つのシングルカスク。経年変化でそれぞれの香味がどうなっていくのかは時の流れだけが知るところですが、ただ、たとえば10年後、20年後には何かしらの差が出ているのではないかという漠然とした予感があります。

こちらはより早飲みに向いていて、サイレンスバー向けのほうは少し置いて香味の落ち着きが増した頃に、真の飲み頃を迎えるのではないか?と、そんな風に考えています。

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