結構サルファリー。樽香がやや強く、原酒の個性は感じられるものの押され気味。
BEN NEVIS 1990-2011 20Y. 60.8% LMDW ARTIST cask#1506, Sherry butt, 577 bottles.
評価:★ ★ ☆
CP:☆ ☆
価格:★ ★
香り:
しっかりとした香り立ち。ややサルファリー。度数の高さを思わせるアルコール揮発香。アプリコット、レーズンといったシェリーカスク由来の香りが先行し、少し遅れて95、96年蒸溜のベンネヴィスにも見られるようなオレンジクリーム、蜜柑といった香味が上がってくる。ただ、サルファリーさは気になる。
味わい:
度数相当の力強い口当たり。ウッディでドライ。レーズンを思わせる甘さに凝縮感が出てくる。
余韻:
余韻はドライで、シェリーカスク由来だと思われるスパイシーさで終わる。
フランスにある世界的に有名な酒販店「ラ・メゾン・ド・ウイスキー」のオリジナルシリーズ「ARTIST(アーティスト)」のベンネヴィス。アーティストシリーズは現在第四シリーズくらいまで出ていたように思いますが、このボトルはシンガポール在住の女性アーティストWarren Khong氏をラベルに起用した第一シリーズの中の一つです。
シェリーバット熟成で、結構サルファリーな印象は強いです。苦手な人は苦手かも知れません。
おそらくファーストフィルで、PXシェリーというよりはオロロソかなという印象です。
また、サルファリーを抜きにしても樽由来だと思われる香味が強く、原酒の香味が押され気味なところが残念です。
気になるところばかり書いてしまいましたが、じっくりノージングすると90年代ベンネヴィスを思わせるクリーミーな蜜柑やオレンジといった独特の柑橘香も出てくるので、ウイスキー飲みの間で実しやかに囁かれている「サルファリーは抜ける」という名文句を信じて、しばらく置いてみようと思います。
写真からの判別は難しいですが、ラベルの女性(実はこっちが裏ラベルです)の髪には細かく文字が刻まれていて、これには描かれている女性の性格が記されているそうです。