ベンリアックで桃を感じたいという要求に、そこそこ応えてくれる。意外と穴場なボトル。
BENRIACH 15Y. Madeira Wood Finish 46%
評価:★ ★ ☆
CP:☆ ☆ ☆
価格:★
香り:
しっかりと始まり、最初は甘さが前に来るが、徐々に弱くなっていく。甘酸っぱく、スイカの皮、べっこう飴、酸味のあるマスカットの印象。奥から麦芽香、時間をかけるとうっすらとだが徐々に桃のニュアンスが上がってくる。穏やかなウッディネス。微かに煙を思わせる内陸系ピート(気にする必要のないレベル)。
味わい:
口当たりは度数相当、ボディの厚みは中程度。麦芽の甘みが広がり、同時に乾いた樽感、乾燥レーズン、焦がし砂糖、べっこう飴。少し遅れて桃の印象。
余韻:
味わいを引き継ぎ、穏やかに唐辛子と胡椒のスパイシーさが現れる。ウリの皮のような余韻を残す。
以前ベンリアックから発売されていたウッドフィニッシュものの一つで、『ペドロヒメネスシェリーウッドフィニッシュ(赤、15年)』、『ソーテルヌウッドフィニッシュ(黄色、16年)』、『ダークラムウッドフィニッシュ(紫、15年)』、『マディラウッドフィニッシュ(緑、15年)』、『リオハウッドフィニッシュ(黄土色、17年)』、『トゥニーポートウッドフィニッシュ(赤茶、15年)』と、それぞれ個性豊かな樽で追加熟成されたものが発売されていました。()内はラベルの色と熟成年数です。
2000年代後半から2010年代前半までの間で流通していて、中には上部ラベルの文字の大きさなど、ボトルのバリエーションがいくつか存在するものがあるようです。その後、ラインナップの整理縮小を経て、いくつかは熟成年数と販売価格が上がり、最近まで発売されています。飲んだことはありませんが、最新のものはピーテッド原酒を使用しているようです。
このボトルですが、裏ラベルによると、バーボンバレルで熟成されたベンリアックを「エンリケス&エンリケス社」のマディラバレルで追加熟成しているそうです。
味わいは甘く、スイカの皮を思わせるウリ科の香りがあることと、桃の香味をそこそこ感じられることが特徴かなと思います。
自宅で放置されていたものをかなり久しぶりに飲みましたが、複雑さ云々は抜きにして結構美味しいと思います。
Recommend!と付けていないのは香味の展開が割と普通でそこまで複雑ではないからですが、「ベンリアックで手軽に桃感を…」というのであれば実はオススメのボトルです。
一昔前のボトルではありますが、追加熟成に使用した樽が変わり種だったせいかあまり買われていないようで、ネットを含め探せばまだ見つけられると思われます。