やや緑がかった色味はリフィル以降のシェリーバット由来か。味わいはややサルファリー。
Ben Nevis 1996-2012 16Y. 46% Aberdeen Distillers
評価:★ ☆
CP:☆ ☆
価格:Standard
香り:
強めの香り立ち。硫黄香(サルファリー)を伴う麦芽香、ややフェインティ。その後にレーズン、奥からクリーミーな印象を伴ったオレンジマーマレードと洋梨。
味わい:
麦芽の甘さに未熟な荒さが残っているため、口当たりは度数以上に強く感じられる。少し遅れて僅かにレーズンとオレンジの皮を感じるが、ボディは薄く、直ぐに余韻へと移行する。
余韻:
あまり長くない。胡椒のスパイス、ややオイリー。
アバディーン・デイスティラーズは、ロビン・トチェック氏が設立したボトラーズブランドであるブラッカダー・インターナショナル社のエントリーシリーズという位置付けです。
全商品が46%に加水されていますが、チルフィルタリングとカラメルによる着色を行わずにボトリングされていることが特徴です。
今回のボトルは2012年にボトリングされたベンネヴィスの16年ものです。
1996年という蒸留年はベンネヴィスにとって近年の当たり年と言うことが出来るくらい美味しいボトルが多いのです。
このボトルも楽しめますが、90年代後半のベンネヴィスの良さだと個人的に思っている「クリーミーさを伴う柑橘要素」は確かに見受けられるものの、おそらくシェリーバット由来のサルファリーな要素が強く出ているためにやや潰されてしまっており、その点が勿体無いと感じます。このボトルは抜栓当時から同様の印象があったため、時間をかけて味の変化を見ていましたが、もう少し時間がかかりそうです。
今回はサルファリーだと感じるボトルを選んで香味の確認をしたことになります。
ウイスキーには様々な香味がありますが、サルファリーとか硫黄香と言われる香味は、シェリーカスクで熟成されたウイスキーだけがたまに持ってしまうことのある、ある意味で特徴的な香りです。
主張が強く、他の繊細な香味を潰してしまうため、程度の差はあるものの好まれるよりは雑味として捉えられることのほうが多い香りです。
今回のボトルは色だけを見るとかなり薄いのですが、この硫黄香があることで熟成樽がシェリーカスクだと判断できます。
ラベルにはSINGLE OAK BUTTという、やや曖昧な表記がされていますが、BUTTというサイズはシェリー樽のサイズなので、リフィルか、おそらくそれ以上に使われたシェリーバットで熟成されたものだと考えるのが妥当ではないでしょうか。
コメント