ラフロイグ 10年 43% 正規輸入品

立ち返る場所。

LAPHROAIG 10Y. 43% 750ml, OB Japan


評価:★ ★ ☆

CP:☆ ☆ ☆ ☆

価格:


 香り:

意外と穏やか。ヨード、燻製を思わせるピート香。その奥からオレンジ、林檎、繊細な麦芽香。飲み進めてピート香に慣れてしまうと、フルーツ香をむしろ強く感じる。

味わい:

滑らかな口当たり。香りの要素を引き継ぐ。ピートに僅かに土っぽさが加わる。

余韻:

ヨードを伴うピートとじわじわと広がる甘さ。燻製、ミント、スパイス。


目次

ラフロイグの基本形として

オフシャルボトルのラフロイグ10年、サントリー正規輸入品。

国内では普通に売られている現行ボトルのスタンダードですが、海外で流通しているラフロイグ10年は40%、700mlです。43%、750mlの特別仕様は嬉しいですね。国内でも並行輸入品は40%のものになります。

ラフロイグ蒸溜所は2015年にめでたく200周年を迎え、様々な記念ボトルが発売されたのは記憶に新しいです。


シンプルだが一体感があり、過不足のない香味

このラフロイグ10年を一言で説明すると、『「ラフロイグとはこういうシングルモルトなんですよ」ということを伝えるために必要な基本的要素を、過不足なく備えたウイスキー』と言えると思っています。

香味構成はシンプルで、特有のピート香を真ん中に据え、その周辺にエステル香や樽香がやや控えめに配置されています。ピート香と加水により雑味は抑えられ、香味には一体感があります。価格も手頃で、ラフロイグの入門編としてこれ以上相応しいウイスキーは考えられません。


ラインナップの整理縮小は飲み手として非常に残念

ラフロイグはここ数年でオフィシャルスタンダードのボトルラインナップに大きな変更があった蒸溜所のうちの一つです。

変更内容を簡単に説明すると、熟成年数の表記されたボトルが減り、熟成年数表記のない(NAS)ボトルが増え、ラインナップ全体としては規模が縮小しました。

長年スタンダードボトルの上級品だったラフロイグ18年が終売、最近になってラフロイグクォーターカスクも終売になったことで、現在一般的に手に入るボトルはラフロイグ10年とラフロイグセレクトカスクの二種類だけになっています。

つまり、ラフロイグ10年は現在のオフシャルスタンダードのラインナップの中では熟成年数が記載された唯一のボトルになったということです。

個人的な意見ですが、オフシャルボトルのラフロイグは熟成年数が上がるにつれてフルーティーなエステル香の厚みが増していき、それがヨードや燻製を思わせる特徴的なピート香と複雑に混ざり合うことで、唯一無二の個性を発揮していくシングルモルトだと思っています。

そのため私は、10年から始めて(200周年記念の15年を挟みつつ)18年へと飲み進めていくことに、それなりの意味を見出していました。これを延長して更に熟成年数の長い限定ボトル(25年や30年など)へと飲み進めていくことで、ピート香だけでなく複雑なエステル香と樽香と熟成感のある麦芽香とが織りなす、ラフロイグだけが持つ一つの世界観を、明確に捉えることができると考えていたからです。

そのため、18年終売から始まった今回のラインナップの整理縮小を、私個人としてはこれ以上ないくらい残念なことだと思っています。


18年は終売となった後も並行輸入品がまだ僅かながら市場に残っていますが、そろそろ本格的になくなってしまうそうです。2014年頃まで9000円程度で推移していた価格も現在は18000円程度まで高騰しています。

15年はそもそも200周年の限定ボトルで、市場に出回っているものがなくなったらそこでお終いです。サントリー正規輸入品が10000円でこちらは完売、今は並行輸入品が15000円程度で出回っていますが今後高騰していくだろうと思います。

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