ベンロマック 2009-2021, 11年 59.6% 麻屋商店向けシングルカスク cask No. 904:良いぞ。ベンロマックの良さが全開だ。なので飲んでみてください。

目次

ベンロマックの良さ全開。

BENROMACH 2009-2021, 59.6%

cask No. 904

ASAYA Exclusive


評価:★★★-★★★☆ Recommend!

CP:☆☆☆☆☆

価格:★☆


ボトル紹介

おもむろにリリースされた、麻屋商店さん向けシングルカスクのベンロマック

今回紹介するボトルは、私の好きな蒸留所筆頭であるベンロマックから、秩父にある麻屋商店さん向けにリリースされたシングルカスクです。

2009年蒸留、2021年ボトリング、ファーストフィルバーボンバレルで熟成された11年もののシングルカスクで、ボトリング本数は244本限定です。

『ベンロマックの魅力を伝えたい』という素晴らしすぎる志のもと、幾多の試練を乗り越えてボトリングしたというこのボトルはTwitterでひっそりと告知され、気が付いた人だけが買えたようなボトルでした。

ベンロマック好きな私はとりあえず気がついたので、直談判から購入に至っています。こういうボトルは開けて飲むまでが仕事ですよね。


テイスティング

ベンロマックのオフィシャルボトルが好きであれば、確実に刺さる香味が好印象すぎる。

このボトルはベンロマックのオフィシャルボトル10年を丁寧にブラッシュアップさせた正統進化系の味わいで、近年のベンロマックのシングルカスクリリースとしてもスマッシュヒットだと思います。

個人的に、ベンロマックは熟成年数に比べて香味全体のコンテンツが豊富で、かつバランスの取れているところが長所であり魅力だと思っていますが、このボトルにもそうした良い部分がしっかりと引き継がれています。言い換えれば、香味を個別に紐解かなくても全体として美味しく飲める高い香味バランスとキャッチーさを持っています。

加えて、様々な香味要素が加水タイプのオフィシャルスタンダード品と比べてかなり充実しているため、シングルカスクでボトリングされた特別感も十分に感じることができると思います。

何も考えなくても美味しく飲めるだけでも十分に素晴らしいボトルですが、敢えて香味を紐解くなら、熟成10年前後ながら麦芽感は未熟さなく溌剌としていて、そこに強過ぎないファーストフィルバーボンバレルの樽感に由来する甘さが適度に乗り、それらを内陸ピートが絶妙に下支えすることで、複雑な香味を実現していると言えます。

樽由来のバニラやオレンジを思わせる香味は全体のキャッチーさを演出し、そこに塩キャラメルやローストナッツを思わせる香味要素が加わることで香味全体の複雑さが増しています。こうした印象はバーボンバレルの樽感、麦芽の熟成感、下支えする内陸ピートといった基本的な香味要素が複合的に重なることで実現されていると思います。

時間経過での香味変化がしっかりとしているところも見どころの一つで、特に味わいでは熟しきる前のマンゴーやパイナップルのような青さと甘酸っぱさのあるフルーツ感も現れてきます。そのため香り以上に味わいでの展開が複雑です。

これが結果として飲み応えにも繋がっていて、それらを余韻にまで引き継ぐだけの力強さも備わっています。

「ベンロマックを広めたい」という麻屋商店さん、ひいては輸入元であるジャパンインポートシステムさんの本気を感じられる優良リリースで、ベンロマック贔屓な私ですら、落ち着きと冷静さを保ったまま文句なくRecommendできてしまいます。

金額的にリーズナブルなのもありがたいです。こんなボトルを国内に引っ張ってきてくれた両社の頑張りに素直に感謝したいです。素晴らしいボトルをありがとうございます。

このような特別なボトルが今後も国内でたくさんリリースされると嬉しいですね。


テイスティングノート

香り:

穏やかに始まり徐々に強くなる。しっかりとした麦芽香、ローストしたナッツの香ばしさとナッツオイル、樽由来のバニラエッセンス、オレンジ、それらを下支えする僅かにすえた印象の内陸ピート、穏やかなウッディネス。香味バランスに優れる。

味わい:

度数相当のしっかりとした口当たり。香り以上に飲んだ後の香味コンテンツは豊富でフルーティーさが分かりやすくなる。キャラメルとローストナッツ、オレンジ、バニラ、未熟なマンゴー、青いパイナップル、ピートの下支えを伴う溌剌として濃縮された麦芽感と心地よいウッディネス。ボディは中程度以上に厚く、滑らかに余韻へと移行する。

余韻:

味わいから継ぎ目なく移行し、余韻は長い。バニラ、キャラメル、ナッツ、穏やかな燻製スモーク。

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