ホーム 04:アイラ島 アイラモルト 1990-2021, 31年 49.3% Thompson Bros.

アイラモルト 1990-2021, 31年 49.3% Thompson Bros.

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アイラモルト 1990-2021, 31年 49.3% Thompson Bros.

香味は穏やかながらフルーツとアイラピートが溶けて絡み合い、長熟アイラモルトの魅力を保っている。


評価:★★★☆ Recommend!

CP:☆☆☆

価格:★★★★


ボトル紹介

トンプソンブラザーズから2樽ヴァッテッドの長熟アイラモルト。中身は皇太子御用達?

2022年1本目に紹介するボトルは、トンプソンブラザーズからリリースされたアイラモルトです。

1990年蒸留の31年熟成、樽はリィフィルのバーボンバレル2樽のヴァッテッド。ラベルにはアザラシのコスプレをした猫のイラストが描かれており、中身はどうやら「ラフロイグの可能性がほぼ100%」ということだそうです。

海外から先行で個人輸入しました。


テイスティング

全体的に香味は穏やか。ボリュームにこそ欠けるが長熟アイラの魅力は失われていない。

香りから余韻まで香味は終始穏やかですが、長熟アイラモルトらしい複雑さを持つシングルモルトで、十分に美味しいボトルだと思います。

香りも味わいも熟したオーチャードフルーツ(果樹園のフルーツという意味)を思わせる多彩で甘いフルーティーさが先行し、そこに長熟アイラモルトならではの穏やかなアイラピートが溶けている印象です。ヨード感やフルーツ感からラフロイグを連想することは十分に可能だと思います。

欠点を挙げるとするならば、このボトルはリフィルバーボンバレル熟成原酒2樽が混ぜられているわけですが、おそらく2樽のうち少なくともどちらか一方は度数落ちしていたのか、香味要素は複雑ではあるものの全体的に穏やかで、香味のボリュームや立体感にはやや欠けます。

とても簡単に言うと長熟アイラモルトの複雑さはあるものの穏やかさと枯れ感を伴う香味で、昔から飲んでいる人には「ダンカンテイラー社のロナックシリーズ(※)と似た印象がある」というと、伝わる部分が多いかも知れません。

比較対象となるボトルとしては、Whisky Juryから2021年にシングルカスクでリリースされた同スペックのシークレットアイラが挙げられます。今回のボトルは香味の立体感ではWhisky Juryに一歩譲ってしまいます。

言ってみれば、正直なところスペック的に予想通りの味わいといったところでした。

ただ、それを踏まえても味わいのレベルは十分に高く、仮に国内でも流通した場合は価格ベースでも十分にオススメできるボトルだと思います。

※Dancan Taylor社の「Lonach」は、熟成の途中でスコッチウイスキーで規定されている最低度数40%を下回った原酒を複数樽ヴァッティングすることで度数を40%以上にしてリリースされていたシリーズ。必然的に30年オーバーの長熟モルトが多く、リリースの多くは2000年代初頭。

テイスティングノート

香り:

穏やかで優しい香り立ち。多彩なフルーツとアイラピートが複雑に絡み合う。甘さが先行し、穏やかに蜂蜜、レモンキャンディ、煮詰めた林檎、オレンジマーマレード、アプリコット、やや濡れた印象のある弱いウッディネス。並行してあらわれるヨード感のある穏やかなアイラピートとそれに続く麦芽の熟成感が多彩で穏やかなフルーツ香を下支えしている。

味わい:

度数より優しい印象の口当たり。長熟アイラモルト特有のピートとフルーツが互いに溶け合った複雑な味わい。フルーツポンチ、缶詰のミックスフルーツとシロップ、ヨード、少し塩素、ボディは中程度で、切れ目なく余韻へ移行する。

余韻:

味わいの要素を引き継ぐ。弱い収斂。余韻は中程度からやや短い。