Home #tasting note スプリングバンク 2010-2020, 10Yo 55.6% Local Barley 2021:マニア向け。抜栓したばかりなので後日再テイスティングすると思います。

スプリングバンク 2010-2020, 10Yo 55.6% Local Barley 2021:マニア向け。抜栓したばかりなので後日再テイスティングすると思います。

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SPRINGBANK 2010-2020, 10Yo. 55.6% Local Barley 2021 Edition, 8500bottles.


評価:★★★

CP:NR(☆☆☆)

価格:NR(定価★☆)


ボトル紹介

世界中で大争奪戦!昨年が最後だったはずの新ローカルバーレイが突然リリース。しかもシェリー樽熟成。

いや、無理でした。国内待つしかないなと思ってたんですが、我慢できませんでした。

手元のボトルはフランス国内向けということになりますので、後日発売される国内向けとは若干味わいに差異が見られる可能性があります。そんなわけでじっくりとテイスティングさせていただきます。

テイスティング

現時点では様々な香味が現れては消え、変化して、揺蕩う(たゆたう)ようで一つに定まらない。将来を好意的に予測する視点が必要なマニア向け沼ボトル。

※抜栓直後の評価であることを最初に断っておきます。

シェリーカスク由来の良い部分が出ている良作で、プレ値で購入していなければ十分に美味しいボトルだと思います。

近年系の良質なシェリーカスクの個性としてジューシーで果実感の強い甘さがしっかりと出ていて、香味全体の基調を構成しています。シェリー古酒に見られるような滋味深い印象は少なく、奥のほうに少し感じられる程度なのですが、香りでも味わいでも香味が一つの場所に止まっておらず、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、揺蕩うように変化するため、一概には言えません。

少しすると味わいに凝縮したレーズン感やシェリー古酒に感じる心地良い渋味が出現したり、塩気を感じたり感じなかったり。香りでもシェリー香のすぐ後にしっかりとした麦芽感を感じる時もあれば、かなり奥のほうにようやく見つける時もあるなど、多彩ではあるのですが香味の陽炎を追うようなテイスティングになります。

この「香味が開いておらず硬い(香り立ちが弱く、要素が奥に引っ込んでいる)」というのとは違う「揺蕩う(たゆたう)」ような印象は、抜栓したばかりのスプリングバンクで個人的に感じることが多い印象で、これは今後少しずつ馴染んで落ち着き、併せて開いてくる前兆だと捉えることにしています。

ここ最近でボトリングされたシェリー樽熟成のスプリングバンクというと、サルファリーや火薬といったネガティブに捉えられやすい香味を持つボトルが散見されますが、少なくともサルファリーは感じない、もしくは気にならないボトルです。ただ、度数以上に樽由来と思われるスパイシーさが強いため、人によってはドライな飲み口の中に火薬の印象を感じるかも知れません。

ただ、経年による香味変化の落ち着きを加味すれば将来有望なボトルだろうと推察されるため、これからの香味変化を見ながら間隔を空けつつじっくりとテイスティングし直し、後日あらためて再テイスティングした記事を載せたいと思います。いつになるかは分かりませんが。

ちなみに私がそう考えた理由には、シェリーカスク由来の香味の質が良いこと、度数が高いこと、酒質として奥のほうにしっかりとした麦芽の旨味が残っていること、香味が揺蕩うというのは、香味コンテンツの多彩さと奥行きの深さの一つの現れだと考えていることなどが挙げられます。

そういう意味で、非常にマニアックで、ウイスキー愛好家向け、もっというと既にスプリングバンク沼にどっぷりハマっている人向け、これからスプリングバンク沼を分け入って進みたいと考えている人向けな1本だと思います。

テイスティングノート

香り:

しっかりとした香り立ちで、シェリーカスク由来の強い甘さが先行する。初めは甘さの奥行きに欠ける印象だが、時間経過で少しずつ多層的になってくる。ラズベリー、ブルーベリー、苺ジャム、蜂蜜。遅れて干し葡萄、プルーン、僅かにプラムの甘酸っぱさ。さらに奥からゆっくりとマッシュした麦芽の印象、うっすらと塩と西瓜。

味わい:

口当たりは度数相当にしっかりとしていてベリー系の甘さを強く感じるが、加えて樽材由来の収斂、コゲ感を少し伴い、強くドライ。そうかと思うと黒土や凝縮したレーズンが出たり消えたりする。抜栓したばかりだからか、まだ香味が全体的に落ち着いていない印象だが、香味コンテンツは豊富で、まだまだ出てきそうではある。後半では麦芽をすり潰して作ったクリームのような甘味と旨味、合わせて塩気が現れ、ボディの厚みに寄与している。

余韻:

じんわりと長く、味わいの後半の印象を引き継ぎ、クリーミーな麦芽感とベリー系の甘さが折り重なるが、基調はドライ&スパイシー。唐辛子や胡椒のスパイス感、木材の焦げ感、土、煮詰めたシェリーと焦げたザラメの甘さと苦さ。

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