駒ヶ岳ダブルセラーズ2019, 49%:ライトな酒質に雑味のない樽感。バランス良し。

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KOMAGATAKE Double Cellars Bottled in 2019, 47%


評価:★★★ Recommend!

CP:☆☆☆☆

価格:★


ボトル紹介

「マルス信州蒸溜所」と「屋久島エージングセラー」の2箇所の異なる熟成庫で熟成されたマルス信州蒸溜所(駒ヶ岳蒸留所)原酒をヴァッティングしたシングルモルト(ジャパニーズウイスキー)です。3659本限定。

マルスウイスキーの所有する信州と屋久島の二つの熟成庫は環境条件が大きく異なります。

マルス信州蒸留所:標高…800m、年間の気温変化…-15℃〜33℃、年間湿度変化…約65-67%

屋久島エイジングセラー:標高…50m、年間気温変化…5-35℃、年間湿度変化…約74-76%

同じ蒸留所の原酒をこれだけ環境の異なる場所で熟成させてから合わせるというのは面白い試みです。

また、こちらは以前バーで飲ませていただいています。

思ったより低めにスコアリングしてましたね。

今回はいただいたサンプルをテイスティングさせていただきました。

本坊酒造の商品紹介ページはこちら。(完売)


テイスティング

比較的ライトな酒質に樽由来の香味が綺麗に乗っていて、マルスの進化を感じる。

以前飲んだ時よりも美味しく感じられ、またマルスウイスキーの進化を感じることのできる意味あるボトルだと思いました。

原酒の熟成に使われている樽はアメリカンホワイトオーク材のバーボン樽とシェリー樽となっていますが、感じられる香味要素から察するにバーボン樽がメインとなっていると思われます。香味成分もバーボン樽熟成のシングルモルトによく見られる要素が主体です。

素晴らしいのは、それら香味成分のバランスが高いレベルでまとまっていることで、過去のシングルモルト駒ヶ岳で見られたような、えぐみであったり原酒の若さであったりが、うまく抑えられている、もしくは消えている、あるいは適切にコントロールされているということです。

樽の使い方やブレンド技術の向上は勿論、原酒作りの知見も積み重ねられ、試行錯誤の段階から一歩抜けた印象を感じました。シェリーカスク由来と思われる香味も全体に奥行きを与えており、良い仕事をしていると思います。

津貫もそうですが、マルス原酒の比較的ライトな酒質は、もしかしたら暖かい地域での熟成に向いているのかも知れません。

2011年に現在の蒸留機が稼働したマルス信州蒸留所は、今年でリバイバルから10年目を迎えます。

そろそろ定番の10年ものをリリースする日も近づいているのではないかと期待しています。


テイスティングノート

香り:

しっかりとした香り立ち。甘く、オーキー。バニラ、べっこう飴、香木、オレンジピール、ほんのりとスモーキーピート。ほんのりとスペアミント。

味わい:

度数相当にしっかりとした口当たり。えぐみなく甘いオークのウッディネス。バニラ、キャラメル、べっこう飴。微かにビターチョコレート。ボディは中程度からやや軽い。

余韻:

蜂蜜、オレンジ、オレンジの皮が強くなり、樽由来の収斂が穏やかに現れる。余韻の長さは中程度。

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