ホーム 05:キャンベルタウン 神戸頃末酒店のスプリングバンク19年は濃厚PXシェリーバンクの良いところも悪いところもしっかり。

神戸頃末酒店のスプリングバンク19年は濃厚PXシェリーバンクの良いところも悪いところもしっかり。

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神戸頃末酒店のスプリングバンク19年は濃厚PXシェリーバンクの良いところも悪いところもしっかり。

メリークリスマス。このボトルの美味しい飲み方、教えます。

SPRINGBANK 2000-2020, 19Y. 53.6%

PEDRO XIMINE SHERRY CASK

CASK STRENGTH

KOBE KOROSUE


評価:★★★

CP:☆☆

価格:★★★☆


ボトル紹介

神戸の頃末酒店の先代が確保した樽がリリース。Twitterで盛り上がり、500本以上が10分で完売。

神戸にある酒屋「頃末酒店」がリリースしたスプリングバンクのシングルカスク。2000年蒸留、PXシェリーカスク熟成の19年ものです。

オフィシャルリリースのプライベートボトルを示す格式高いラベルデザイン、シェリー樽熟成のスプリングバンクのシングルカスクで税抜30000円を切る価格が大きな話題となり、更に購入制限が1人6本までと非常に緩かったこともあってか、発売日当日に500本以上あった在庫が10分足らずで完売。「お祭り」といってもいいような盛り上がりとなりました。

もともとは先代にあたる三代目の店主が確保した樽を、現店主である四代目がボトリングしたものになります。


テイスティング

抜栓後は、絶対にしばらく放置で!開けたてはかなりサルファリーです。ただし伸び代はデカいと思う。

このボトルを初めて飲んだのはバーでだったんですが、そのとき僕は以下のようなツイートをしています。

そして今回あらためてじっくりとテイスティングしたところ、結構分かりやすくサルファリーな要素が万歳でした。

バーで飲んだあのボトルがたまたま当たりだったのか、抜栓してからとグラスに注いでからの時間経過がいい仕事をしたのか、何だったんだろうか。これがバーの魔法ってやつなんでしょうか。

とりあえず僕のサルファリーセンサー(※)の感度はもう少し調節しないと駄目ですね。

抜栓直後はとにかく香味が安定しないです。グラスに注いでしばらく置くとサルファリー要素がかなり気にならなくなる瞬間があったりなかったり、暖かい部屋で飲むとサルファリーが強かったり、冷たい状態で飲むとベリー系の甘さとブリニーさを強く感じる瞬間があったりなかったりです。

そんなわけなのですが、このボトルのポテンシャル自体はちゃんと高いので、どうすればこのボトルを美味しく楽しむことができるのかを説明したいと思います。

  1. まず、とにかく放置です。30分で駄目なら40分でも1時間でも、グラスに注いだら時間をかけて香味の変化を見ましょう。スロードリンクです。基本ですね。
  2. 冷えた状態で飲んでみましょう。香りを取ろうと体温をグラスに伝えすぎるとサルファリー要素が目立ってきてしまいます。今みたいな冬場は飲み頃です。
  3. 喫煙者であれば、タバコやシガーと合わせてみましょう。タバコの香りはサルファリー要素をマスクしてくれます。

とにかく、大原則は放置です。30分と言わず、40分でも1時間でも放置で香味変化を見る!

本領を発揮してくるとシェリーカスク熟成のスプリングバンクらしく、ベリー感とブリニー(潮気)、スプリングバンクの古酒に見られるような苺のヘタのニュアンス、フリーズドライの苺のニュアンスやミルキーなテクスチャーがしっかりと感じられます。

既に説明した通り現状では香味が安定していないため、今後の時間経過でサルファ要素が抜けてきた時が真の姿だろうと思います。

安定して本領を発揮するのはおそらく数年後でしょう。抜栓して様子を見ながらじっくり楽しむも良し、複数本持っているならば抜栓せずに長期間保存しておくのはモアベターって感じです。

いずれにせよポジティブな要素もしっかりとあるボトルなので、時間をかけて楽しんでいこうと思います。

メリークリスマス。

※ サルファリーセンサー:ウイスキーばかり飲んでいる人が持つセンサーのひとつ。サルファ要素(硫黄香)は強過ぎると他の香味を潰してしまう他、シェリーカスク熟成のウイスキーの香味としても本質的に必要ない要素と見做されることが多いなどドリンカーの間ではネガティブな要素と取られることが比較的多い香味要素だが、それをウイスキーの香味の中から検知するセンサーのこと。このセンサー感度が高くなると本当にちょっとしたサルファ要素でも鋭敏に拾うようになる。この他、パフュームセンサー、ヒネ香センサーなど、一般的にネガティブに捉えられやすい香味には多種におよぶセンサーが存在する。ただし重要なのはネガティブな香味を拾った後の評価の仕方であり、サルファを肯定的に捉えようが否定的に捉えようがそれは個人の自由である上に、拾えるならきちんと拾い、それを踏まえて味わいを評価したり人に説明できる状態が理想なので、基本的にセンサー感度は高いほうがいいと僕は思ってます。


テイスティングノート

香り:

しっかりとした香り立ち。ベリー系のニュアンスが強い甘い香りが先行する。ベリージャム、無花果、レーズン、苺ジャム、そこに重なるブリニーさ(潮気)。注ぎたてはサルファリーなニュアンスがあるが、グラスに注いでしばらく置いておくと気にならなくなる。奥からうっすらと醤油、バルサミコ酢とともに麦芽の甘味が立ち上がってくる。

味わい:

度数相当にしっかりとした口当たり火薬、サルファが香りよりもしっかりと出てくるため、気になる人はかなり気になるだろう。遅れてベリー系のニュアンス、ブリニーさ。苺ミルク。ボディは厚い。

余韻:

濃厚なベリー系の甘味が持続するとともにサルファリーは強く出る。焦げ感を伴うウッディネス。