かけた時間に応えてくれるのは、美味しいボトルの一つの条件だと思う。

LAPHROAIG 2002-2017, 14Y. 57.1%
OMC for RUDDER
ABSFLUTE CHOICE
評価:★★★-★★★☆ Recommend!
CP:☆☆☆
価格:★★★☆
最近のドリラジ

ブログの更新サボってて本当さーせんでした!!!
ボトル紹介
12月4日発売、ラダーのアブソリュートチョイス第4弾

株式会社ラダーから発売された2002年ヴィンテージのラフロイグ。シェリーバット熟成の14年もののシングルカスクです。
リリースは2020年12月4日ですがボトリングは2017年。もともと信濃屋酒販からのリリースを予定していましたが、北梶氏の独立にあたり株式会社ラダーからリリースされる運びとなったものです。

11月28日にドリシェアとRUDDERの共同企画で行われた「OMCラフロイグ2002アブソリュートチョイス先行オンライン試飲会」での目玉ボトルでもあります。
テイスティング
ピートの奥から現れるベリー香が非常に秀逸。テイスティングにかける時間にしっかりと応えてくれる。

「ABSOLUTE CHOICE」と銘打つだけのことはある、非常に上質で香味コンテンツの豊富なシェリーラフロイグだと思います。オンラインテイスティング会でも当然のように一番人気でした。
テイスティングにかける時間にしっかりと応えてくれるということは上質なウイスキーの条件の一つだと僕は思っていますが、このボトルもそうしたウイスキーの一つです。
香味要素が多彩であるほか、それら多彩な要素の時間による変化も見どころで、是非ともじっくりと時間をかけてテイスティングしてほしいです。
例えばグラスに注いでまず飲んでみた後に30分程度静置してみるというのもいいと思います。
香りや味わいに最初は力強いアイラピートやタールを思わせるオイリーさが先行し、そこから徐々にベリージャムを思わせる甘い香りと古酒感のある複雑なシェリー香が開いてきます。
その後はピートとベリー系の甘さが入れ替わり立ち替わり、まるでジャズトリオでドラムとピアノがお互いのソロ演奏をぶつけ合いながら音色を交換しているような力強さと緊迫感のある香味展開です。
それだけではなく、オリーブを思わせる塩気のある香味と古樽を思わせるような複雑さが、ウッドベースが一定のリズムを刻むように下支えしていて、香味全体に懐の深さを与えている印象です。
シェリーカスク由来の香味要素にネガティヴさがないことは勿論、近年ラフロイグらしい力強いピートの奥にほのかな古酒感と溌剌とした麦芽の香味も感じられ、麦芽感は味わいよりも余韻で比較的分かりやすく、それが余韻の長さと複雑さに寄与しています。
全ての香味が力強いこのボトルは早飲みには向きません。香味を取るときはグラスを遠くからゆっくりと鼻に近づけて、口に含むのも少量ずつ、一杯を飲み切るのにも十分に時間をかけて、スロードリンキングで楽しんでほしいです。
ボトルを1本抱えて飲めば、シングルモルトをボトルの中で育てる楽しみも教えてくれるでしょう。非常におすすめです。
現時点ではまだ購入可能なようなのだ、ラダーさんの商品ページへのリンクを掲載しておきます。
http://ultimatespirits.jp/smartphone/detail.html?id=000000001080
テイスティングノート
香り:
しっかりとした香り立ち。ヨードや薬品棚を思わせるような力強く特徴的なアイラピート香が先行し、続いて塩漬けのオリーブ、そこから徐々にベリー系の甘い香りが優勢になってくる。ラズベリー、レーズン、葡萄畑の土、ほのかにミント。
味わい:
度数相当のしっかりとした口当たり。葡萄畑、レーズン、プルーン、プラム、チェリーといったシェリーカスク由来と思われる香味が強く現れる。さらに奥から熟したアプリコット、微かにココア、ビターチョコレート。ややオイリーでボディは厚い。
余韻:
アイラピートを引き継ぎ、黒胡椒、微かに山椒、コーヒー、タール。ほんのりと麦芽の甘さ、土、レーズン。余韻はクリーミーで長い。