アラン 1996 – 2016, 19年 50.8% The Nectar 10周年記念

蜜感やアプリコット感の強いアラン。桃感もあるよ!

ARRAN 1996-2016, 19Y. 50.8%

Specially selected by and bottled for THE NECTAR (10th Anniversary)


評価:★★★☆ Recommend!

CP:☆☆☆☆

価格:★★


ボトル紹介

ベルギーボトラーの10周年記念ボトル

ご無沙汰してます!生きてます。Twitterのほうは割と頻繁に更新していたのですが、ブログがこんなにも開いたのは初めてかも知れません。おかげさまで下書きの記事はめっちゃ溜まってます。

さて、細かい話は抜きにして、久しぶりの更新です。ベルギーにあるボトラー「The Nectar」の10周年記念でボトリングされたオフィシャルプライベートボトルのアランです。

アラン蒸留所の創業2年目にあたる1996年蒸留の原酒をシェリーホグスヘッドで19年熟成させたシングルカスクで、カスクナンバーは368、ボトリング本数は317本となっています。

https://twitter.com/drinkerslounge/status/1280178338846261252?s=21

ボトリングは2016年とやや古いですが、今年の6月に新宿の名店Bar Carusoで抜栓されたことを知って気になって探し、運良く見つけることができたので自宅で抜栓してみました。

抜栓当時から良いボトルでしたが今回かなりこなれてきたので、しっかりと記事にしていきたいと思いまーす!


テイスティング

甘く上品。香味の安定感だけでなく、洗練度合いも高い。

実は2012年から2015年くらいにかけてアランのボトラーズ向けプライベートリリースが相次いだ時期がありました(ウイスキーフェア向け、エクスチェンジ向け、ベイジャフロール向けなど)。どのボトルも1996年前後の原酒であることが多く、またこの頃から「アランは安定感がある」と言われ始めた記憶があります。

そして、このボトルにはその安定感を更に洗練させたような印象があります。

非常に上品で香味のバランスが取れたアランというのが第一印象ですがそれだけにとどまらず、時間をかけるに従って多彩な香味が開いてきます。上品でありながら非常にコンテンツが豊富なボトル思います。アラン、君ってばやれば出来る子だったもんね。知ってたからね!

抜栓当初少しだけ目立ったオーキーさが落ち着いた後は、蜂蜜やアプリコットといった甘さとフルーティーさとともにシェリーカスク由来のチョコレートやレーズン、トーストされた芳ばしいオーク香、そこに溌剌とした印象の麦芽の熟成感も絡んできて、香味の複雑さと雑味のなさが際立っています。香りの多彩さとフルーティーさは味わいにも引き継がれ、余韻からオーキーさと収斂、煮込んだスパイスのような複雑な甘さと辛さが現れてきます。

語源として「神々の飲み物(ボトラーとしての名前の由来はこちらから取られているのでしょう)」という意味のあるNECTARという言葉には「花や果物の、あるいは蜂やその他の虫が集めた甘い蜜」いう意味もあるそうです。このボトルには香りから余韻に至るまで蜂蜜やアプリコットを思わせるフルーティーで甘い個性が感じられ、その意味でもこのボトラーの10周年に相応しい味わいだと感じました。

リリース当時は「また96アランとかリリース続き過ぎワロタ追えぬ」みたいな感じでもはや気に留めていなかったのですが、こうして飲めたことが胸熱です。今回はバーとそこで飲んだ飲み手経由で知った情報から辿り着くことができましたが、当時の僕は飲んでみずにワロタとか言ってる場合ではなかったわけですね。

あと、NECTARって聞くと僕的には不二家の桃果汁飲料であるところの「ネクター」をものすごく思い出すというかほとんどそれしか思い出さないくらいなんですが、僕がそう思ってしまっているからかどうかはともかく、このボトルにもアプリコットからの桃を思わせるニュアンスが開いてきます。

アランのシェリーカスクに(主観的かどうかはこの際無視して)桃感を感じるものがあったのは個人的に超朗報です。桃感、好きなので。

飲んだばかりの時は「不二家のネクターからの桃っていうのは安直過ぎるというか、そんなに都合良くはいかないぜ?」的な感じでカッコ付けていたのですが、「あ、やっぱりいますわ桃」という結論に至ったので、この際だからもう「桃感あります」的な感じで紹介することにしました。

いずれにせよ、このボトルは非常に美味しいボトルでオススメです。ちょっと珍しいボトルになってしまったかも知れませんが、見かけた際には是非飲んでほしい一本です。


テイスティングノート

香り:

穏やかに始まり徐々に強くなる。刺々しさがなく丸い印象。アプリコット、蜂蜜、瑞々しい枝付きレーズン、溌剌とした麦芽の熟成香、続いてチョコレート、トーストしたオーク香が穏やかに現れる。更にオレンジマーマレード、奥からほのかに桃のニュアンスと、非常に微かにミントのニュアンス。

味わい:

しっかりとした口当たりで度数相当。樽由来の収斂と共にアプリコット、蜂蜜、桃、もしくは桃風味の清涼飲料水、溌剌とした麦芽の熟成感、弱くバニラ、そこからオレンジ、少し遅れてオレンジマーマレード、弱くラズベリー。香りに負けずに香味は多彩で、ボディも比較的厚い。

余韻:

オークの収斂を引き継ぎ、煮詰めた甘いスパイスクローブ、樹液。じんわりと長く続く。