香味は更に洗練され、ボディは少し繊細に。完成度の高さはニューラベルにも引き継がれている。


BENROMACH 15Y. 43% New Bottle (2020-)
評価:★★★☆ Recommend!
CP:☆☆☆☆
価格:★ – ★☆
ボトル紹介
新生ベンロマックの本命ボトル


オフィシャルボトルが大幅リニューアルしたベンロマックから、ミドルレンジの15年です。
ここ最近、国内のウイスキードリンカーの間で小さなブームを巻き起こしたベンロマック15年。旧ボトルのインポーター在庫も無事に完売し、7月からはこちらの新しいデザインのボトルが国内でも流通することになりました。さすが僕たちのジャパンインポートシステムさんだ!仕事が早いっす!
旧ラベルの15年はリリースを追うごとに完成度が高まり、2018年ロットは旧ラベル史上最高の出来栄え(ベンロマック大好き僕調べ)だったわけですが、リニューアルしたこのボトルの出来栄えはどうなんでしょうか?オフィシャル10年をブラッシュアップした、あの完成度の高さを引き継いでくれているんでしょうか…?
この2つ飲み比べるなら圧倒的に15年。
— Drinkers Lounge / ドリンカーズラウンジ (@DrinkersLounge) June 21, 2020
新ラベルも期待しろって感じ。 pic.twitter.com/iFUiUUq5Yx
ご安心ください。誰よりも先に飲みたいという気持ちだけで海外から先行入手して即抜栓し、2週間じっくり飲ませていただいた僕が断言しますが、ニューラベルの15年、忖度抜き(そもそもないけど)でめっちゃ良いです。
テイスティング
更に一体感を増した香味。香りの洗練度は旧ボトル以上。ボディは少し繊細に。
抜栓後2週間程度経ちますが、ニューラベル15年の出来栄えには正直驚いてます。僕は確かにベンロマック贔屓ですが、それを抜きにしても十分オススメできますし、旧15年と比べても遜色ないか、より完成度が高まっていると思いました。抜栓直後より1週間程度置いてからのほうが香味の開きは良いです。これはこのボトルに限ったことではないかも知れませんが。
ニューラベル10年もそうでしたが、15年も旧ラベルと比べて香味全体の一体感が増しています。個人的にこれは歓迎すべき変化で、その点での完成度はより高まっていると評価しました。オフィシャル10年をブラッシュアップした、まさに正統派ミドルレンジといった風格はそのままに、こちらもニューラベル10年同様ピートがやや穏やかに感じられるせいか、香味の調和がより保たれ、洗練された印象を強めています。
ベンロマック10年 43% 新ボトル(2020年〜)
ベンロマック15年 43% オフィシャルボトル
香りでは多彩なフルーツ香、麦芽の熟成感ともに、ニューラベル10年との比較ではより複雑かつ渾然一体としています。ニューラベル15年を飲むと、洗練されていると感じたニューラベル10年に粗さが目立ってしまうほどです。
ただ、旧ボトルの15年との比較においては、味わいと飲み応えのトレードオフに関して賛否が分かれるかも知れません。香りの一体感と複雑さは増したかも知れませんが、飲み応えやボディの面で少し線が細くなった印象です。
しかしこれは荒削りな部分がなくなって洗練度が増したと取ることも出来ると思うので、好みの問題になるのではないかと思います。おかげで口当たりに関してはかなりストレスフリーです。抜栓するとそこそこ危険な速度で減っていきます。
多彩な香味要素を持ち、ほんのりとした古酒感すら帯びながら(本当)、渾然一体として調和を保つ新しいベンロマック。
是非一度試していただきたいボトルです。
多くのシングルモルト愛好家の琴線に触れるのではないかと思っています。
テイスティングノート
香り:
穏やかに始まり徐々に強くなる。内陸ピートを伴うフルーティーさで、多層的。麦芽の熟成感とともに穏やかなスモーキーな内陸ピート、べっこう飴、クレームブリュレ、アプリコット、オレンジピール、林檎蜜、グレープフルーツ、炭、灰、微かにカラメル、レーズン、奥から少しマスカットや葡萄の皮。ほんのりと古酒感を感じる。
味わい:
優しく、加水ならではの引っ掛かりのない口当たり。心地良いウッディネスと収斂、ピートスモークにほんのりと燻製、塩が加わり、麦芽とフルーツの甘さを引き立てる。ボディは中程度からやや弱く、そのまま余韻へと移行する。
余韻:
味わいから継ぎ目なく移行し、バニラ、焦がし砂糖、カラメル、炭、灰、グレープフルーツなどがもう一度開く。そして次の一口の香りへと繋がる。