ベンロマック10年 43% 新ボトル(2020年〜)

ベンロマックのニュースタンダード。

BENROMACH 10Y. 43% OB

New design bottle, since 2020


評価:★★★Recommend!

CP:☆☆☆☆

価格:★


ボトル紹介

ベンロマックのオフィシャルスタンダード、イメージ一新!

デザインが一新した、オフィシャルボトルのベンロマック10年です。

ベースカラーが赤と白へと変わり、書体はよりクラシカルなものになりました。実物を見る前はシンプル過ぎるのではないかと思っていましたが、実際見てみるとかなり作り込まれている印象で、結構存在感があります。

本場スコットランドでのリニューアルは2020年の6月と本当に最近の出来事です。国内入荷はまだですが、近いうちに順次切り替わっていくでしょう。

というわけで国内流通よりも一足早く海外から入手しましたので、先行レビューさせていただきます。


テイスティング

旧10年の完成度はそのままに、味わいが微調整された印象

GMがオーナーになってからのベンロマック10年はソレラシステム(樽を移し替えながら継ぎ足していく熟成方式。シェリー酒の熟成方式として有名)で熟成されているためか、品質が非常に安定しています。

今回のニューボトルにもその部分は引き継がれていて、香味は旧ボトルとの連続性がきちんと保たれていると言えます。

なので、一つ前のラベルデザインのベンロマック10年が好きな飲み手であれば、新生ベンロマック10年も受け入れ良好でしょう。旧10年の高い完成度はそのまま引き継がれています。

新ラベル10年はピートの質感を含めた香味全体がアジャストされた印象で、香味が更にバランス重視にシフトしているように感じられるのが特徴ではないかと思います。


変わったのはピートか、樽の使い方など香味バランスそのものか。

香味が更にまとまったと感じた理由は、ピート感の変化か、もしくは樽の使い方によるフルーツ香のバランスの変化(向上)か、もしくはその両方ではないかと思っています。

まずはピート感について説明すると、ベンロマック10年はスペイサイドモルトの中でも特にピートの主張がしっかりとしているシングルモルトなのですが、新10年は旧10年と比べてピート感のスモーキーさがやや分かりやすくなっていると感じました。

もともとあった燻製ナッツやベーコンを思わせる要素に加え、樽の内側を焦がしたような、煙を焚いたような印象のある要素が感じられ、これは現行のポートシャーロット(アイラモルトですが、ピートはアイラ産ではなく内陸のものを使用)と似た印象です。

そのせいなのか、新10年のピートは旧10年よりも香味全体をまとめる作用が強い印象です。飲み比べると分かりやすいと思うのですが、干し椎茸のようなニュアンスやオイリーなニュアンスが旧10年よりも抑えられています。

次にフルーツ香ですが、今まで主体だったグレープフルーツの皮やワタ、オレンジビターズやオレンジマーマレードを思わせる苦味と甘味は変わらず感じられる中、弱いアプリコット、ほんのりとしたレーズンといった他の多くの香味とのまとまりが強くなっていて、香味全体が更に丸みを帯びた仕上がりになっていると思います。それにより、フルーティーな甘さは感じやすくなっているでしょう。更に、口当たりもより滑らかになっています。

ピートの変化がフルーツ香などの香味の感じ方を変えたのか、樽の組み方などで変わった香味のバランスがピートの感じ方を変えたのか。

いずれにせよ、同価格帯では頭ひとつ抜けた香味の多彩さに加え、それら香味のバランスを更に高めた新生ベンロマック10年。

新と旧、似てはいますが意外と違い、そして好みの違いはあれど変わらず楽しめる美味しさだと思います。ありがとうベンロマック、ウェルカム新10年。これからもよろしくね!


テイスティングノート

香り:

穏やかに始まり徐々にしっかりとしてくる。柑橘の甘さと一緒にベーコンや燻製ナッツを思わせるピート感に穏やかなスモーキーさが加わる。オレンジ、グレープフルーツ、スモークベーコン、燻製ナッツ、蜂蜜、奥から麦芽の甘さ、バニラ、クローブ、穏やかなウッディネス、微かにレーズンや葡萄の皮、アプリコット、ほんのりとスパイス。多彩。

味わい:

滑らかな口当たりで、引っ掛かりがない。香りの要素を引継ぎ、穏やかなドライさと収斂。燻製ナッツとスモークを思わせるピートの主張が少し強くなり、遅れて柑橘の皮とワタ、ほんのりとレーズン、オレンジビターズ、麦芽の甘味。ボディは中程度からやや厚め。

余韻:

ピートスモーク、オレンジビターズを思わせる苦味と甘味の複合。穏やかなスパイスとドライさがじんわりと持続する。