グレントファース 1997 – 2020、22年 47.6% The Whisky Crew向け(BBR)

目次

美味しいです。そしてこの構成を見たら、この時期にやることは決まっている。

GLENTAUCHERS 1992-2020, 22Y. 47.6% The Whisky Crew

Bottled by BB&R

Boubon Barrel, cask No. 3879


評価:★★★☆ Recommend!

CP:☆☆☆

価格:★☆


ボトル紹介

The Whisky Crew向けのグレントファース。Three Riversのダンスシリーズのシスターカスク

Whisk-Eが手掛けている会員制通販サイト「The Whisky Crew」向けのボトルとして発売された1997年蒸留のグレントファース、22年ものです。

樽元はBBRであることがラベルに書かれていて、もちろんシングルカスク、カスクストレングスでボトリングされています。

ちなみにこのボトルは、以前ブログ記事でも紹介したThree Riversの「ダンス」シリーズとしてリリースされた同年蒸留のグレントファースのシスターカスクにあたります。

https://drinkers-lounge.com/2020/01/10/glentauchers-1997-2019-21y-48-7-tr-the-dance/amp/

熟成年数が伸びているにも関わらず、ダンスのグレントファースよりも価格が安い。いいですね。素敵です。


テイスティング

外さない香味構成。樽感と熟成年数のバランスを上手く見極めた良リリース。

たしかにグレントファースの原酒は主にブレンデッドウイスキー用に使われることが多く、シングルモルトとしての味わいは個性的ではありませんが、このボトルは価格相応に美味しいと思います。

樽の個性と溌剌とした麦芽の熟成感のバランスを見極めた樽選びであり、個性が明確とは言い難い原酒の特徴を逆手に取った見事な仕上がりだと思います。樽種はバーボンバレルとだけ記載されていますが、おそらくリフィルではないかと思っています。

最初にやや酸味の強い柑橘香が先行した後は、オレンジ、バニラといったバーボン樽の個性が明確になってきます。口に含むと溌剌とした麦芽の熟成感が明確となり、余韻ではあらためて樽由来のスパイシーな個性が現れてきます。ホグスヘッドよりもサイズの小さいバレルでの熟成なので、樽由来の香味の主張もしっかりとしています。時間経過で、熟れたバナナの印象を強く感じるかも知れません。

そして先ほど「グレントファースには個性がない」と言ったばかりですが、個人的には同じくブレンデッドウイスキー原酒としてよく使われるグレンロセスやリンクウッドなどと比べて、熟成を経ることで麦芽感にクリーミーさが加わる印象があり、22年熟成のこのボトルでもその点は味わいにしっかりと現れています。

雑味もなく、香味に非常にまとまりのあるシングルモルトで、現行のバーボン樽熟成シングルカスクを好きな飲み手の琴線にしっかりと触れる、良リリースだと思いました。

そうは言っても、味わいに関して「ありがち」なのでは?という意見が、もしかしたらあるかも知れません。何せ、シングルモルトを飲み慣れてきた人であれば、樽構成、熟成年数、原酒の個性から「こういう香味になるよね」ということがある程度予測できると思うので。

「ありがち」という言葉をもう少しざっくばらんに表現すると、このボトルに見られる味わいは代替えの利くものだということであり、つまり似たような香味のボトルは今後も出てくると予想できるし、今までもあったということでもあります。

僕もその点は全く否定しないです。ですけども。

そう、ですけども、最終的には味わいにおける純粋なレベルの高さを評価してRecommendとしました。

価格を考えるとこのレベルの味わいは備わっていて当然という意見はあるかも知れませんが、そこはCPの評価に反映されています。それでも順当という評価です。

「ありがち」ととるか「王道」ととるかは人それぞれ。

結局は十分に美味しく、ネガティブな要素もないこのボトルが好みであれば、さっさと手元に置くべきです。バーボンバレル熟成であることを踏まえると本数も少ないと思うので。

僕自身も「ハズレを引くことはないだろう」という確信のもとに購入し、それが予想通りだったことに十分に満足しています。

そして、このスペックを見たら他の部分でピンとくるところもあるのではないでしょうか…?

はい、正解です。贅沢ハイボールですよね。

このボトルのハイボールは、無理矢理頼めば別かもしれませんが、普通はバーで出てくることはないでしょう。

美味いかどうか、ですって?美味いに決まってるだろ。


テイスティングノート

香り:

しっかりとした香り立ち。レモンキャンディを思わせる酸味の効いた柑橘香と甘さが先行するが、そこから蜂蜜、金柑、微かなグラッシーさ。時間経過で熟れたバナナの印象が強くなる。続けてうっすらとオレンジ、オレンジクリーム。そのクリーミーさを伴う溌剌とした麦芽の熟成感。

味わい:

度数が47%程度まで下がっていて、口当たりにもそれが反映されており、引っ掛かりがない。口に含むと柑橘、バニラ、キャンディ、穏やかな樽の収斂。オレンジ、オレンジクリーム、麦芽の熟成感が香りから引き継がれて開く。ボディは中程度で、継ぎ目なく余韻に移行する。

余韻:

味わいの要素を引き継いで継ぎ目なく移行し、穏やかな収斂とスパイシーさが現れ、ややしっかりとしたウッディネス、バニラ、キャンディの甘さと共に長く続く。

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